データ分析の結果を、どうビジネスに生かすのかDMP成功まで、あと1センチ(12)(3/3 ページ)

» 2017年04月07日 08時00分 公開
[松本健太郎ITmedia]
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施策のアイデアを得るために必要なスキル

 「インサイトとアクションが連動していなければ、DMPを使う必要がないのか?」と問われれば、誰もが「そんなことはない」と答えるでしょう。しかし、施策の手段が限られていることに対して「独自で作りました」という話はあまり聞きません。ツールベンダーやSIerが開拓した方法だけでいいのか、という疑問は残ります。

 もちろん、自社でカスタマイズし過ぎて10年、20年たった後に誰もメンテナンスできないようなシステムに仕上げることは誰もが望んでいません。月並みですが、両者のバランス感覚が大切なのだと思います。業務につながるITという視点を得るために、ツールベンダーやSIerだけでなく、自社の情シス部門を巻き込むべきだとお話しすることもあるのですが、多くのマーケターは顔をしかめます。

photo DMPから得たインサイトを使う方法は無限大にあるはず。発想を広げるためには、さまざまな知識が必要になってきます

 デジタル的な施策も含め、さまざまなテクノロジーに詳しいのは、情シス部門にいる彼らだと思いますが、何か聞きにくい理由があるのならば、コードを書けるまでは必要ないにしても、自ら努力し、何ができるかは知っておくべきだと考えています。

 ただし、業界紙などを読んで「デジタルで何ができるか知っている」というレベルではダメです。ビジネスにおいて「知っている」と「どうやって実現するか理解している」の間には雲泥の差があります。せめてSQLが書けるか、クラウドで何か自作できるレベルにまでスキルを高めるべきです。

 以前の記事(責任者不在のプロジェクトにならないために)で「システムが分かるマーケターが必要だ」と訴えました。効果的な施策を見つけるためにも、マーケターにとってシステム構築力は今や必須のスキルでしょう。それは逆もしかり。情シス部門がマーケターの業務を理解することで、DMPの効果を飛躍的に高めることができるはずです。

著者プロフィール:松本健太郎

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株式会社ロックオン開発部エンジニア 兼任 マーケティングメトリックス研究所所長。

セイバーメトリクスなどのスポーツ分析は評判が高く、NHKに出演した経験もある。他にも政治、経済、文化などさまざまなデータをデジタル化し、分析・予測することを得意とする。

本業はデジタルマーケティングと人工知能を交差させて、マーケティングロボットを現場で運用すること。

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