第7回から第10回にかけては、無事にソフトウェアの選定が終わり、導入プロジェクトが開始してから陥りやすい失敗例と、そうならないための対策を紹介しました。第7回『なぜ、パッケージソフトの「カスタマイズ」で失敗してしまうのか?』では、既成のパッケージソフトウェアを自分好みにカスタマイズしてしまうことのデメリットと、とはいえ柔軟性に富むソフトウェアのカスタマイズに失敗しないために、持つべき視点を紹介しています。
第8回『変化を嫌う現場の“抵抗勢力”、3つの攻略法』では、組織にありがちな“サイロ化”や縦割り主義が招く、自組織優先の思考によるソフトウェア導入の失敗ケースから、組織内での認識(ベクトル)合わせや、会社全体としての取り組み、支援の重要性をお伝えしました。
第9回『パッケージソフトの機能を「使いこなさない」人たち』では、多機能なソフトウェアの一部分のみを使用する、局所最適がもたらす不利益と、全体最適を目指してソフトウェアを使いこなすことの重要性を解説しています。
そして第10回『なぜ、日本の企業は「標準化」ができないのか?』では、標準化を前提に作られたソフトウェアを標準化できていない現場に適用しようとすることで生じるゆがみと、外資系パッケージソフトウェアを使用するために、標準化が根底の概念として必要なことを説明しました。
システムの導入が終われば、いよいよリリースです。第11回『外資系ベンダーが「何でもやってくれる」なんて、あり得ない!』は、日系SIで一般的な請負契約と、外資のメーカーが提供することの多い準委任契約を比較し、その差の認識不足が招く失敗を取り上げました。契約時の失敗がリリース時になって大きな影響を及ぼすので、特に注意が必要です。
第12回『「直感的な操作で誰でも使える」 そんなソフトウェアなど存在しない』は、メーカーのセールストークをうのみにしたことで、ソフトウェアの習熟に思った以上に時間がかかったり、ユーザー側の暗黙のルールが契約に盛り込まれていなかったりすることで、十分な支援が受けられない可能性があることをお伝えしました。
第13回『ユーザーテストを軽視しすぎる日本企業の問題点』で、パッケージソフトウェア導入でのユーザー受け入れテスト(UAT)が十分でない場合の失敗例に触れ、その重要性についてお話ししました。リリース後に修正できるという考えでテストを行うと、概してテストは甘くなりがち。外資系パッケージソフトでは、その考え方が命取りになります。
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