最近話題のドローンをMR(Mixed Reality)でデモするズームス(XOOMS)の「VIRTUAL DRONE(バーチャルドローン)」は、元ラジコン少年としては、童心に帰るデモでした。
2人のプレーヤーがそれぞれのドローンを同時に飛ばすことができる「マルチプレーヤー版」を披露。MRの世界を友達と一緒に探索する、世界でも類のない体験を提供していました。
東京大学の「Todai to Texas 2017」からは、6チームが参戦していました。そのうちの5つを紹介します。
Todai to Texasとは、公式サイトによると、東京大学の在学生・研究者・卒業生を中心としたプロジェクトチームやスタートアップがSXSWに参加し、自分たちのプロダクトやサービス、作品を展示するプログラムで、東京大学産学協創推進本部が主催し、学生・社会人有志により構成されるTodai To Texasプロジェクトチームが運営しているとのこと。
前回紹介した猫背をなおすデバイス「Neko Electro」や、自動的に一定間隔を保とうとするハンガー「+move」も、Todai to Texasのプロジェクトチームが支援しています。
病気や事故で足を失った人のための義足はこれまでもいろいろなものが作られていますが、このロボット義足「Suknee」は、ロボット義足開発チーム「BionicM」が2足歩行ヒューマノイドロボットの技術を生かして開発したもの。内部にモーターやセンサーを搭載し、義足の使用者の歩行具合に合わせた最適なアシストをしてくれます。
実際に試してみたところ、慣れるまでは時間がかかりましたが、自分の意思と力に沿って歩くことを手助けしてくれるところは、Human Centricでユニークだと感じました。
Sukneeは、「SXSW Interactive Innovation Awards」の学生部門「Student Innovation」で優勝の快挙を成し遂げました。このアワードは、かつて「Twitter」や「Airbnb」が受賞しており、新興企業の登竜門として世界的に知られています。学生部門とはいえ、日本チームのアワード受賞は史上初の快挙とのこと。おめでとう!
2017年4月に放映されたNHKのBS1スペシャル「若者よ 世界を驚嘆させよ!大見本市SXSW」で密着取材を受けていたサービスがこの「GROOVE」。
ダンスをより楽しくするために開発したという、動きに合わせて光る手袋型のデバイスで、自らもダンサーというメンバーが開発に携わっています。ダンサーが両手に装着するセンサーに、圧電素子やGセンサーを備えています。
GROOVEは、音をベースに光るアウトプットインタフェースであるだけでなく、手の動きなどを基に音楽が出るところが特徴。ダンサーは音楽に合わせて踊るのが一般的ですが、GROOVEを使うことでダンサーが自ら音楽を生み出すことができる、というわけです。
アートとテクノロジーが融合するSXSWならではのアイデアで、こちらも学生部門の「Student Innovation」に参戦していましたが、残念ながら入賞には至りませんでした。NHK BS1の番組では、メンバーが社会人になっても開発を続けるか否かで議論をしていたのが印象的でした。
きつおん症は単語内の音が連続して発せられたり、最初の音が発せなかったりして言葉が円滑に話せない疾病で、世界的にもきつおんで悩む人は少なくなく、周囲の視線や差別から自殺を図る人もいるそうです。
そうした障害に悩む人の苦しみを疑似体験する環境を提供することで、社会の理解を高めようとするデバイスの1つが、「STACHA」。きつおん症患者の疑似体験ができるもので、首に巻いてのどにある声帯の周りの筋肉に微弱な電流を流し、意図的に正確な発声が困難な状態を再現します。
「NeuroVoice」は、音声の生成にディープラーニング(深層学習)を用いることで、自然かつ流ちょうな音声変換を実現したシステム。ポイントは、音声の最小単位である“音素”を用いて学習することで、変換先の対象人物が発したことのない発言も再現可能なことだそうです。
ドナルド・トランプ米大統領の発言を、大統領候補だったヒラリー・クリントン氏の声でしゃべるデモをしてくれました。
次回は、グローバルベンダーの取り組みについても紹介したいと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.