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» 2017年06月01日 08時00分 UPDATE

グループ30社の“ハブ”に:企業を超えたデータ連携、どう進めればいい? SBIホールディングスに学ぶ (2/3)

[寺澤慎祐,ITmedia]

データに基づいた新たな顧客リストを模索

 各グループ会社のデータ分析を支援するとはいえ、グループ企業それぞれの業務や課題を理解するのは至難の業だ。そのため、まずは全社的なデータ活用基盤の統一や、どの会社でも共通してメリットが出る取り組みを優先しているという。

 「まず実施したのは、グループ企業全体で扱うデータとツールを統一することでした。当社が参加している日本データマネジメントコンソーシアム(JDMC)の勉強会などで学んだのですが、各社がデータについて話す際の“言葉”を統一することが狙いです。ツールはGoogle AnalyticsやGoogle Tag Managerを使っています。さらに、全社共通のデータ基盤としてプライベートDMPも導入しました」(同社 社長室 ビッグデータ担当 次長 佐藤市雄氏)

 データの統一化、IDの連携、顧客データの統合などを行い、プライベートDMPを導入してからは、グループ企業を超えたクロスセリングに注力したという。

 SBIは金融事業だけでも、SBI証券(オンライン総合証券)、住信SBIネット銀行(インターネット専業銀行)、SBI損害保険(インターネットを主軸とした損害保険)、SBIマネープラザ(金融商品を販売する店舗展開)、SBIカード(クレジットカード関連事業など)とさまざまな事業を展開している。各企業間でデータを横断的に収集して分析することで、顧客一人ひとりに合わせた、メールマガジンや広告を通じて、グループ内での相互送客などの施策を行えるようになったそうだ。

photo SBIグループでは、グループ内のビッグデータを集約し、顧客分析やターゲティング広告に活用している(出典:SBIホールディングス)

 「当社グループの会員数は2100万人を超えていますが、潜在顧客も入れると、3000万人程度いると考えています。つまり、これは残り1000万人を会員にするための施策であり、当社のビジネス拡大につながると考えています。

 実際の効果は具体的には言えませんが、私たちは会員やメーリングリストといった従来型の顧客リストではなく、行動履歴も含めたデータを使った新たなパラダイムで評価する顧客リストの作成を目指しているのです。今は各ユーザーのサービスニーズについて評価を行い、ニーズに即応できるアプローチができるようにしています」(佐藤氏)

 30以上もの企業のデータを扱うことから、データ量は膨大なものになる。月間1000万アクセスで1億回の広告表示、といった案件を1人がいくつも担当するような状況だ。そのため、こうした分析や施策については、自動化を前提に設計していると佐藤氏は話す。

 「2012年当初から、機械学習と自動化には取り組んでいました。グループ内のWebサイトでどのような形で出稿するか、といった問題については自社内でアルゴリズムを開発しています。最近では、そのアルゴリズムについても、全てを自社開発するのが難しくなってきました。コアなアルゴリズム以外については、改善やデータ更新を人工知能で実施したり、外部に委託したりしています」(佐藤氏)

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