シマンテックがセキュリティオペレーションセンターをリニューアル 日本を守る“青い”部屋に潜入してきた実に“3兆行/月”のログを処理(1/2 ページ)

シマンテックが東京セキュリティオペレーションセンター(SOC)をリニューアル。日本を狙うさまざまな脅威に対抗していく体制を整えた。毎月3兆行レベルのデータを収集し、解析して、顧客にアラートを通知している。

» 2017年07月27日 08時30分 公開
[宮田健ITmedia]

 シマンテックは2017年7月26日、同社が設置している東京セキュリティオペレーションセンター(SOC)を拡大すると発表し、東京・港区にあるシマンテック本社にてリニューアル開所式を行った。日本企業のセキュリティオペレーション機能を強化し、日本のサイバーセキュリティ情勢に優れた見識と深い専門性を持つ専門家を採用し、サポートを提供する。

 開所式ではシマンテックのサイバーセキュリティサービス担当シニアバイスプレジデント兼サイバーセキュリティサービス事業部担当ジェネラルマネージャのサミール・カプリア(Samir Kapuria)氏が登壇。これまでのSOC事業はデバイス管理中心型であったが、現在では「脅威に対抗できることにこそ注力すべきであり、SOCの価値もそれに合わせ進化している」と述べた。

Symantec Tokyo SOC シマンテック コーポレーション シニアバイスプレジデント兼サイバーセキュリティサービス事業部担当ジェネラルマネージャ のサミール・カプリア(Samir Kapuria)氏

「シマンテックマネージドセキュリティサービス」が提供する価値

 この新SOCでは、「シマンテックマネージドセキュリティサービス」を提供する。このサービスはエンドポイントやファイアウォールなどのデバイスからの「データ収集」、そのデータをインテリジェンスとビジネスコンテキスト、ログデータを含めて「セキュリティ分析」、そしてアナリストがこれらの検証、分類をして「インシデントの処理」を行う。

 カプリア氏は昨今のサイバー攻撃者のスタイルを「ハッキング」「サイバー犯罪」「サイバー諜報活動」そして「サイバー戦争」に分類する。さらにそこには目的として「金銭」「掌握(パワー)」そして「資産」があるとし、攻撃のモチベーションと目的の幅が拡がっていることを指摘した。それに対抗するために必要な人材、技術、そして時間が圧倒的に足りていないと述べ、シマンテックサイバーセキュリティサービスにおいて、その足りない部分を補完すべくリニューアルを行ったという。カプリア氏は「お客さまにとって、安心してビジネスをしてもらうため、“信頼されたSOC”があるという安心感を培うことが重要」と強調した。

 シマンテックのサービスを利用しているユーザー企業、日産自動車の常勤監査役 行徳セルソ氏は「グローバル化、デジタル化が進むことにより、サイバー攻撃のレベルも日々レベルアップしている。これまでシマンテックと協業して、共に戦ってきた。今後も新SOCで日本全体のサイバーセキュリティのレベルアップを期待している。完ぺきなセキュリティというものはないが、リスクを低減できるようになればグローバル企業としてありがたい」と歓迎の意を表した。

Symantec Tokyo SOC 開所式にて握手を交わす日産自動車の行徳セルソ氏(中央)とシマンテックのサミール・カプリア氏(右)
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