主力事業で7四半期連続減収、富士通CFOが語る“反転攻勢への道”Weekly Memo(1/2 ページ)

富士通が、主力事業で前年同期比7四半期連続減収となった。今後も厳しい状況が続く可能性がある中、どうやって攻勢に転じるのか。

» 2017年07月31日 12時00分 公開
[松岡功ITmedia]

減収続くテクノロジーソリューション事業

Photo 会見に臨む富士通の塚野英博 代表取締役副社長兼CFO

 「国内のIT需要は今後、中長期で見れば堅調に推移して業績も右肩上がりが期待できるが、当社にとって課題は海外展開。事業の在り方を根本的に転換する必要がある」――富士通の塚野英博 代表取締役副社長兼最高財務責任者(CFO)は先頃、同社が開いた2017年度第1四半期(2017年4〜6月)決算説明会で、全売上高のおよそ7割を占めるテクノロジーソリューション事業の動向についてこう語った。

 同社のテクノロジーソリューション事業は、ソリューション/SIとインフラサービスからなる「サービス」と、システムおよびネットワークのプロダクトからなる「システムプラットフォーム」の2つの領域で構成されている。

 決算については、2017年度第1四半期の全売上高は9226億円で前年同期比2.5%増だったが、そのうちテクノロジーソリューション事業は6726億円で前年同期に比べて1億円減に。塚野氏は、「ニフティのコンシューマー事業が連結対象外となって減収になったが、それがなければ増収」と説明するが、残念ながら微少でも減収は減収だ。

 実はこの減収に、富士通の深刻な課題が見て取れる。それというのも、テクノロジーソリューション事業の前年同期比減収が、今回で7四半期連続になるからだ。米IBMが先頃発表した直近の決算で21四半期連続減収となり、それから言えば、まだ3分の1ではないかとの見方もあるが、両社ともコンピュータメーカーとしてIT産業を長らくけん引してきたことを考えると、共通の課題もありそうだ。

 富士通のテクノロジーソリューション事業におけるここ7四半期の売上高の推移を、サービスとシステムプラットフォームの内訳も含めて図1にまとめてみた。

Photo 図1 富士通のテクノロジーソリューション事業におけるここ7四半期の売上高の推移(単位:億円)

 こうしてみると、このところ増減率では減少幅が小さくなってきているので、増収に転じるのも近いように見て取れるが、同社自体が2017年度通期の業績で同事業の減収を見込んでいることから、あと3四半期分を加えて「10四半期連続減収」が現実味を帯びた形となっている。

 ちなみに、テクノロジーソリューション事業の中でも多くを占めるサービスのうち、ソリューション/SIは国内の公共および民需が堅調なのに対し、インフラサービスは円高の影響もあって海外で低調というのが、このところの構図となっている。冒頭に挙げた塚野氏の発言は、この構図に沿ったものである。

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