Apple決算は予測超の増収増益 秋のiPhone発売についてクックCEOは

Appleの4〜6月期決算は、Apple Payなどのサービスが過去最高の売上高で、iPad売り上げも数四半期ぶりの増加で増収増益だった。次期iPhoneが発売されるとみられる7〜9月期の売り上げ予測はかなり強気だ。

» 2017年08月02日 07時24分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Appleが8月1日(現地時間)に発表した第3四半期(4〜6月)決算は、売上高は前年同期比7%増の454億800万ドル、純利益は12%増の87億1700万ドル(1株当たり1.67ドル)の増収増益だった。売上高、1株当たり純利益ともにアナリスト予測(売上高は448億9000万ドル、1株当たり純利益は1.57ドル)を上回った。

 粗利益率は38.5%で、前年同期の38%をわずかに上回った。

 iPhoneの販売台数は前年同期比2%増の4102万6000台で、アナリスト予測の4070万台を上回った。売上高は3%増の248億4600万ドル。ハイエンドのiPhone 7 Plusが貢献した。同社は今秋、次期iPhoneを発売するとみられている。

 iPadの販売台数は15%増の1142万4000台だった。iPadの販売台数が前年同期比でプラスになったのは13四半期ぶり。売上高は2%増の49億6900万ドルだった。同社は3月に9.7インチの「iPad」を、6月に10.5インチの新型「iPad Pro」を発売した。

 Macの販売台数は1%増の429万2000台で売上高は7%増の55億9200万ドルだった。日本と中国での販売が好調だった。

 iTunes StoreやApple Music、Apple Pay、Apple Careなどのサービスの売り上げは22%増の72億6600万ドルで、四半期売り上げとして過去最高だった。

 Apple Watch、iPod、Apple TV、Beats Electronicsなどのその他のハードウェア製品の売り上げは23%増の27億3500万ドルだった。

 apl 1 製品別売上高

 地域別では、中国での売り上げが10%減だった他はいずれも前年同期より増加している。日本は1桁台の増加率だった。

 apl 2 地域別売上高

 業績発表後の電話会見で、中国のApp StoreでのVPNアプリ削除について質問されたティム・クックCEOは、中国政府からの要請があり、やむを得なかったが、いずれ規制は緩和されるとみていると語った。また、すべてのVPNアプリを削除したわけではないとも語った。

 クックCEOはまた、ドナルド・トランプ米大統領が7月25日に米Wall Street JournalのインタビューでAppleが米国に3つの巨大工場を建設すると約束したと語ったことについての質問に対し、この事実を認めた。

 第4四半期の予測については、売上高は490億〜520億ドル、粗利益率は37.5〜38.0%としている。

 この売上高予測からは第4四半期に発売されるとみられる次期iPhoneに10周年記念の「iPhone 8」が含まれるかどうかを推測するのは難しい。電話会見でiPhoneのローンチタイミングについて質問されたクック氏は「発表していないことについてはいっさいコメントしない」とAppleのお決まりのフレーズで答えた。質問者が「一応聞いてみただけだよ」と言うとクック氏は楽しそうに笑い声をあげた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ