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» 2017年08月17日 08時00分 UPDATE

今こそ見直す「データガバナンス」(3):あなたの会社の取引先データ、コンプライアンス的に大丈夫ですか? (1/2)

データガバナンスやMDMを見直すポイントを紹介する本連載。今回はコンプライアンスの視点から、MDMがなぜ重要なのかをお話しします。

[堀雄介,ITmedia]

 こんにちは。東京商工リサーチでプリセールスをしている堀雄介です。企業活動にとってマスターデータ、とりわけ、取引先データがどれだけ重要かを業務横断的に解説する本連載も3回目となりました。今回のテーマは「コンプライアンス」です。

 一言でコンプライアンスと言ってもそれが指す範囲は広いですが、本連載にふさわしい、対外的な取引におけるコンプライアンスに触れていきたいと思います。

 昨今ではテロ事件の多発や、安全保障環境の変化に伴って、海外取引における国際的な規制や罰則は世界的に厳格化されています。特に注目されているのは、「アンチマネーロンダリング」「安全保障貿易管理」「腐敗行為防止」という3分野です。

 海外との取引を行う企業は、多額の罰金を伴う規制への対応や自社ブランドの保護を目的に、包括的なコンプライアンスチェック体制の構築が不可欠です。また、これらの取り組みは国際協調のもとで行われており、国内法の改正や外国法の域外適用によって、一部、国内の取引が対象となる点にも注意が必要です。

包括的なコンプライアンスチェックに必要な6要素

 皆さんは「Know Your Customer(KYC:顧客の実態確認)」という言葉を聞いたことがありますか?

 もともとは、銀行に個人ならびに法人が新規口座を開く際、銀行から要求される書類手続きなどを総称するものでしたが、この言葉は現在、商社やメーカーなど広く事業会社にも浸透しつつあります。規制強化を背景として、取引先のコンプライアンスリスクのチェックがより厳格になっていることを感じます。

 東京商工リサーチでは、このKYCの理想的なフローには、6つの要素が必要だと考えています。

  1. 商取引管理
  2. 実態確認
  3. 資本系列の確認
  4. スクリーニング
  5. 調査結果の保存と報告
  6. モニタリング
photo 包括的なコンプライアンスチェックに必要なこと

 ここで1つ例を挙げましょう。全世界数百社へビジネス展開する情報サービス業のC社は、取引先との契約を前に、その財政的リスクを評価するだけではなく、KYCを同時に行っています。KYCのプロセスにおいては、各国の当局が公表する取引規制リストなどのネガティブリストに該当しないかどうかをチェックする「4:スクリーニング」が重要とされていますが、その事前準備となる「2:実体確認」も欠かせません。

 この実体確認はまさに、社名や住所、代表者名など取引先データのチェックによって行われており、当社は営業担当から申請される取引先情報を、Webページや公簿、あるいは第三者機関の情報によって裏付け、監査する仕組みを構築しています。

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