IoTで無人搬送車の運行状況を可視化、復旧作業の工数を50%削減――トヨタ自動車

トヨタ自動車の元町工場は、IoTで無人搬送車の無人搬送車の運行状況を可視化する「GeoMation 屋内位置把握ソリューション」を導入。復旧作業にかかる工数を50%削減した。

» 2017年09月21日 13時45分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 トヨタ自動車は、元町工場に日立ソリューションズの「GeoMation 屋内位置把握ソリューション」を導入し、2017年4月に稼働を開始した。

 同ソリューションは、GPSが届かない屋内や地下のような場所でも、人やモノの位置を把握し、作業員の安全管理や人流管理、機材の最適な配置を支援するもの。元町工場では、IoTタグを取り付けた無人搬送車(AGV)の位置を検知し、それを大型モニター上の工場図面に表示。AGVが異常停止した場合は、色と音で警告を発するようにした。

 AGVの位置検知は、IoTタグから発信される電波は、AGVの移動経路に設置したIoTルーターで受信する。IoTタグとIoTルーターは電池稼働のため、配線などの工事が不要で、柔軟な機器の配置が可能。これにより、低コストでの導入や運用開始までの時間短縮に加え、運用コストの低減が見込まれるとしている。

Photo トヨタ自動車 元町工場における「GeoMation 屋内位置把握ソリューション」の利用イメージ

 上位モデル車種の「クラウン」などを生産する元町工場では、車軸ユニットを製造する機械部の部品運搬にAGVを導入している。作業員の目が届かない箇所で渋滞や脱線による異常停止トラブルが発生した場合は、速やかな発見と復旧作業が難しく、AGV停止中の人手による代替運搬作業にかかる工数増加も課題だった。

 同ソリューションの導入により、AGVの異常停止と停止位置を速やかに把握できるようになり、復旧作業にかかる工数を50%削減でき、停止中の人手による代替作業が不要になった。また、停止後の復旧時間が短縮し、AGVの停止による工程遅延のリスクが軽減されたという。

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