ヒロテック、HPEのエッジコンピューティングを活用し、生産ラインのダウンタイムを低減

自動車部品の開発、製造を手掛けるヒロテックは、生産ラインの状況を可視化するIoTデータの活用基盤として、HPEのエッジコンピューティング製品「HPE Edgeline IoT Systems」を導入した。

» 2017年10月18日 11時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 自動車部品メーカーのヒロテックは、IoTデータの活用基盤として、日本ヒューレット・パッカード(HPE)のエッジコンピューティング製品「HPE Edgeline IoT Systems」を導入した。PTCのIoTアプリケーションの開発基盤「ThingWorx」と組み合わせ、IoTによる生産ラインの可視化とリアルタイム監視を実現する生産管理システムを構築した。

 ヒロテックは、自動車製造機器と自動車部品の開発、製造メーカー。世界9カ国、27カ所の設計、製造拠点で年間約800万枚のドア製品と約180万台の排気システムを製造しており、国内外の大手自動車メーカーに提供している。

 機械の故障などによるダウンタイムの低減と生産性の向上を課題としていた同社は、2016年に米法人と日本本社にThingWorxを導入。米国では、デトロイト工場の8台のコンピュータ数値制御(CNC)マシンのデータを収集、分析し、リアルタイムで遠隔的に可視化した。

 日本本社では、排気系製品の生産ラインで、自動排気システムの検査ラインの遠隔可視化を実施。排気系の検査ラインに設置したHPE製サーバでは、検査ロボットのデータや、力覚センサー、レーザーセンサー、カメラによる検査結果などのデータを収集している。HPEによると、収集したIoTデータを遠隔地のデータセンターやクラウドに送信することに比べ、エッジコンピューティングならではの信頼性の高いリアルタイム分析と遠隔監視を実現するという。

 今回、HPE Edgeline IoT Systemsを導入し、ThingWorxを組み合わせて、生産システムのモニタリングや、IoTデータのリアルタイムな収集と分析、機器やIoT製品の制御などに活用する。

 現在は、日本本社の自動車ドアの生産ラインにも同システムを導入し、リアルタイムでの可視化と自動レポート生成機能などを実装。

 ヒロテックでは、これまでの運用を通じて、事業活動を視覚的にリアルタイムで把握できるようになったことで、業務効率やスループットが向上したという。また、機械学習機能を活用し、システム障害の予測と回避に活用するほか、過去データの分析により、生産施設のパフォーマンスと改善方法をより正確に把握できるようになったとしている。

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