Windows 10 Fall Creators Updateの最大の特徴は、MRへの対応だ。
日本マイクロソフトの執行役員でコンシューマー&デバイス事業本部デバイスパートナー営業統括本部長を務める梅田成二氏はMRの展開について、「Microsoftは、2016年に『Microsoft HoloLens』を発売し、MRの世界に踏み出した。MRは、時間と場所の制限をなくすことができるものとになる」とし、「現実世界に近いAR(拡張現実)から、仮想(デジタル)世界に近いVR(仮想現実)まで、用途によって現実世界と仮想世界の濃度を変えてミックスをしていく。それが、Microsoftが提案するMRの世界。Windowsプラットフォームは、VRからARまで幅広い体験をサポートすることになる」と説明する。
これまでのMRデバイスは、価格や精度の面で課題があった。開発者向けの「Development Edition」が33万3800円からというHoloLensは導入のハードルが高く、ゲーム専用機などに対応したVRデバイスはセンサーが3軸に限定されるために精度が低くなる点が惜しまれていた。
しかし、Windows 10 Fall Creators Updateにあわせて、デル、エイサー、HP、富士通、レノボの5社から、5万円前後の価格でWindows MR対応のヘッドセットが発売されることになった。これらのデバイスは、6軸のセンサーを内蔵することで高精度なMRの世界を実現できるうえ、一般的なコンシューマーPCに接続するだけで利用できる。
「Windows 10 Fall Creators Updateではハードウェアの要求仕様を下げ、内蔵GPUでも利用できるようにした。2017年8月時点で発売されているコンシューマーPCの4割が、MRを利用できるスペックのPC」と梅田氏。ちなみに、「Windows ストア」で提供されているアプリ「Windows Mixed Reality PC Check」を利用すると、所有しているPCがMRを使えるスペックであるかどうかを確認できる。
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