Windows 10 Fall Creators Updateの最大の特徴がMRだとすれば、Windows陣営の年末商戦における“いち押しポイント”も当然、MRということになる。
梅田氏は、「業界一丸となってデバイスやコンテンツを紹介し、新たな市場を作っていく必要がある」とし、「そのためには、Windows MRに対応した主要コンテンツのラインアップを広げていくとともに、店頭のデモで素晴らしい体験をしてもらうことが必要」と続けた。海外で流通するコンテンツだけでなく、「360Channel」や「DMM MR動画プレイヤー」、朝日新聞の「NewsVR」などをはじめとした国内向けコンテンツの品ぞろえを進める方針だ。
さらに日本マイクロソフトでは、全国の販売店でWindows MRの体験コーナーを展開する予定だ。同社が主導する形で22店舗、富士通を中心にハードウェアメーカーなどのベンダーが主導する形で約400店舗でのデモストレーションを実施するという。
「これほどの店舗数でのデモストレーションは米国よりも多く、他の国にはないスケール。多くの人にWindows PCを使った没入感のあるMRの世界を体験してほしい」(梅田氏)
11月18日から実施する店頭デモストレーションのために、360度の観光体験など、3種類のコンテンツを用意し、現在は店頭体験コーナーに常駐する予定のインストララクターのトレーニングを行っているところだという。
ただ、マイクロソフトがこうした取り組みをする一方で、IDC Japanは、VR/ARヘッドセットの需要予測について、「日本で売れているPCはほとんどがノートPCであり、VR/ARヘッドセットを利用するには、コンピュータリソースの問題がある。VRデバイスが日本のPC市場の成長に与えるインパクトは小さい」と指摘している。
MRの世界をどれだけ浸透させることができるか――。それが2017年末から2018年にかけてのPCの販売を左右する可能性もある。MRへの取り組みは、日本マイクロソフトだけでなく、PC業界全体にとっても重要なテーマとなりそうだ。
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