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» 2017年10月31日 07時00分 公開

SaaS型ERP導入に失敗しないための「5つのポイント」:第1回 SaaS型ERPは、本当に短期間で導入できるのか (1/3)

経営判断の迅速化が求められる中、SaaS型ERPの導入を検討する企業が増えています。この導入を成功させるためには、どんなポイントに注意すればいいのでしょうか。「導入アプローチ」「コスト」「人、組織」「システム構成」「業務改革」の5つの側面から解説します。

[立川智也,ITmedia]

 経営判断の迅速化が求められる中、SaaS型ERPの導入を検討する企業が増えています。

 SaaS型ERPのメリットは、新規事業の立上げや事業の拡大に合わせて短期間で導入できること、コスト削減に寄与すること、IT部門やユーザー部門の組織改革・業務改革を促進できること、ITガバナンスの強化に役立つことなど多岐に渡ります。

 一方で、複数の企業が1つのシステムを共有することから、自社固有の要件への対応には限界があるなど、制約があることに留意が必要です。

 そこで、本連載では、SaaS型ERPのメリットを最大限享受するためにはどうしたら良いか、「導入アプローチ」「コスト」「人、組織」「システム構成」「業務改革」の5つの側面から解説していきます。

SaaS型ERPを最大限活用するために

 KPMGが行った世界86カ国、総勢4498人のITリーダーを対象とした2017年の調査結果によると、企業はもはや、クラウドの検討を避けては通れないということが分かります。世界のITリーダーの8割以上が、向こう3年以内にIaaS、PaaS、SaaSの3つのクラウド技術の全てにおいて投資を計画しているのです。中でもSaaSは、「向こう3年以内に投資を計画している」という回答が9割以上に達しており、3つのクラウド技術の中でも最も注目を集めています(図1参照)。これまでは、IaaSとPaaSの普及が先行していましたが、今後はSaaSの普及が進むと考えられます。

Photo 図1 向こう3年間のクラウドサービスへの投資計画(出典:Harvey Nash / KPMG 2017年度CIO調査)。クラウドのトレンドは、SaaSにシフトしている傾向が見られる

 ご存じの通り、SaaSとは、インターネットを介して提供されるソフトウェアを複数の企業と共有して利用する形態です。SaaSは、メールなどのコミュニケーションツールや、顧客管理などの汎用性の高い、限られた業務を中心に普及しはじめましたが、最近では経理、人事、間接材購買などの業務にまで対象範囲が広がり、基幹業務を広くカバーするSaaS型ERPも提供されるようになりました。

 KPMGのメンバーファームでも、欧米を中心にSaaS型ERPの導入事例が急速に増加しており、今後、日本国内でも確実にSaaS型ERPが普及すると考えられます。

 そこで本連載では、現在SaaS型ERPの導入を検討している方や、次期システムの選択肢の1つとしてSaaS型ERPの情報収集を進めている方などを対象に、SaaS型ERPのメリットを最大限享受するにはどうしたらよいかを、疑問に答える形で解説していきます。

 日頃、KPMGコンサルティングに寄せられるSaaS型ERPに関する疑問を整理すると、「導入アプローチ」「コスト」「人・組織」「システム構成」「業務改革」の5つに大別できます。

【SaaS型ERPに対する5つの疑問】

  • 導入アプローチ ―― 短期で導入できるって本当?
  • コスト ―― 新規導入コスト・保守コストを削減できるって本当?
  • 人・組織 ―― ユーザー部門・IT部門の役割はどう変わるの?
  • システム構成 ―― 部分的にクラウドを採用しても大丈夫?
  • 業務改革 ―― 実際に業務改革に役立つの?

 第1回の今回は、導入アプローチについて解説します。

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