そして、3つ目が、11月18日から全国の販売店でWindows MRの体験コーナーの展開がスタートしたことだ。
これは年末商戦に向けたキャンペーンで、主にコンシューマーユーザーが対象になる。日本マイクロソフトが主導する形で22店舗を設置。Windows MR対応デバイスを発売する富士通クライアントコンピューティングなどのハードウェアメーカーが主導する店舗と合わせると、約400店舗でWindows MRの体験ができるようになる。
富士通クライアントコンピューティングの齋藤邦彰社長は、「Windows MR対応デバイスを年末商戦の目玉にしたい」と意気込み、「リアルを求めるのは人間の欲求である。全国の体験コーナーで実際に体験してもらうことで、MRの楽しさや新たな気付き、五感に訴える実在感などを感じてほしい」と続けた。
また、日本マイクロソフトでは、年末商戦に向けた2017 年冬の Windows 10 キャンペーンのクリエイティブ ディレクターに、漫画家やタレントとして活躍中の蛭子能収氏をCMに起用することも発表した。
「クリエイティブ ディレクター エビス・ヨシカズ氏」と命名し、すでに、同社サイトを通じて、同氏のクリエイティブ・ディレクターに就任した経緯や、CM制作の過程を追った動画など5篇を先行公開している。ここでも、Windows Mixed Realityに関連し、「蛭子さんの目からビーム? 写真なのに?」と題した「Windows Mixed Reality のオリエンを聞く篇」が用意されている。なお、量販店店頭のWindows Mixed Reality体験コーナーでしか見られない限定動画コンテンツもあるという。
MRを構成する1つであるVR(仮想現実)は、1990年代にゲーム専用機向けデバイスなどの発売によって、一度ブームを迎えたが、技術面での課題などもあり、普及には至らなかった経緯がある。その後、2015年にSamsungがスマホと連動するGear VRを発売。2016年10月には、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)がゲーム機と接続する「PlayStation VR」を発売。PC対応のVRデバイスも各社から登場し、2016年来、第2次ブームを迎えているところだ。
Windows MRの対応デバイスは、Dell、日本エイサー、日本HP、富士通クライアントコンピューティング、レノボ・ジャパンの5社から登場する。
一方、VRコンテンツもそろってきた。2015年2月からVRプロジェクトに取り組んできたソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)では、ソニー・ミュージック所属のアーティストのライブ映像や、世界各国の空間を長時間に渡って楽しめるコンテンツなどを用意。2016年11月からVR配信事業を開始しているDMM.comでは、約2500タイトルのVRコンテンツを配信する体制を整えている。コンシューマー領域でも活用できる土壌が整いつつあるというわけだ。
コマーシャルおよびコンシューマーユースのいずれからも、着実な広がりを見せようとしているMR。まずは、年末商戦での盛り上がりぶりが注目される。
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