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» 2017年11月27日 12時30分 公開

AI、スパコン活用で高精度な津波予測を 産官学協働プロジェクトがスタート

富士通と川崎市、東京大学地震研、東北大学災害研は、津波被害軽減に向けた共同プロジェクトを開始。高精度な津波予測や被害予測の実現を目指す。

[金澤雅子,ITmedia]

 富士通は、川崎市、東京大学地震研究所(東京大学地震研)、東北大学災害科学国際研究所(東北大学災害研)と共同で、川崎市臨海部を対象に、津波被害軽減に向けた津波の予測や事前対策の技術検討プロジェクトを開始した。

 今後起こりうる大津波に向けた被害軽減対策を効果的に進めるためには、全国を概観した津波予測の活用に加え、地域ごとの特性を考慮した地域カスタマイズ型の津波予測が求められており、4者は今回の取り組みで、沖合の津波観測データとAIやスーパーコンピュータといった最新ICTを活用し、地域の特性やニーズを考慮した実用的な津波防災対策に向けた技術検討を行う。

Photo 南海トラフ大地震の津波シミュレーション

 川崎市臨海部を対象地域として、同市の危機管理室との連携、意見交換を通じて、防災現場で有効な技術を検討。東北大学災害研と富士通研究所が開発した高速かつ高精度な「津波浸水シミュレーション技術」や、東北大学災害研と富士通総研が進める「避難行動をモデル化した津波避難シミュレーション技術」を活用し、東京大学地震研が想定する地震・津波ハザードについて、主に「沿岸波形予測の高精度化」「リアルタイム浸水解析」「地域予測情報の活用方法検討」「沿岸津波挙動の特徴把握」の4項目について検討する。

 沿岸波形予測の高精度化は、遠く離れた沖合の津波観測点で時々刻々と得られる観測データを用いて、川崎市臨海部の沿岸の津波波形(波高、到達時間)を高精度に予測する手法を検討し、多様な想定地震に対する有効性を検証。リアルタイム浸水解析では、沖合の観測データを基に、川崎市臨海部の津波浸水を高解像度でリアルタイム解析するシミュレーションモデルを構築する。

Photo 川崎市臨海部を対象とした地域カスタマイズ型の津波予測の概要。沖合の観測データを基に「沿岸波形予測の高精度化」「リアルタイム浸水解析」を実施する

 地域予測情報の活用方法検討では、沿岸波形予測の高精度化とリアルタイム浸水解析によって得た沿岸地域での津波予測情報を基に減災効果を導き出して、人の行動をモデル化したシミュレーションによって評価し、情報の有効な活用方法について検討。岸津波挙動の特徴把握は、複数の人工運河がある川崎市臨海部において複雑化する津波の挙動を、多様な想定地震に対するシミュレーションを通して把握する。

Photo 川崎市臨海部を対象とした地域カスタマイズ型の津波事前対策の概要。「地域予測情報の活用方法検討」「沿岸津波挙動の特徴把握」を実施する

 4者は今回の技術検討を通じて、予測の不確実性を考慮した利活用方法や他の津波予警報との整合性など、実用化に向けた課題の検討を行い、将来的には南海トラフ沿岸域など、他の地域にも展開する予定としている。

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