三井住友銀行が金融向けストレステストを導入 経営管理の高度化目指す

三井住友銀行が、SASの金融向けストレステストソリューションを導入。リスクシナリオの分析を活用したRAFの高度化と経営体制の強化を目指す。

» 2017年11月30日 16時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 三井住友銀行(SMBC)が、SAS Institute Japan(SAS)の金融向けストレステストソリューション「SAS Stress Testing」を採用した。経営管理の取り組みにおけるリスクアペタイトフレームワーク(RAF)の高度化を目指すという。

 SASのストレステストソリューションは、さまざまな規制シナリオや経済シナリオに対して迅速かつ効果的に対処するための環境構築を支援するもの。

 SMBCでは、これまでも業務運営に影響を与えうるさまざまなストレス事象を想定したストレステストを実施しており、グループベースでの財務影響を分析、把握した上で、ストレスイベントが顕在化したときの対応をあらかじめ検討するなど、リスク管理の高度化に取り組んできた。

 今回、従来の取り組みに加え、より定量的な分析によってRAFの実効性を向上させ、信頼性の高い分析結果を経営層と現場部門で共有して連携を強化することを目指し、SAS Stress Testingの導入を決定した。

 将来にどのような不確実性が想定され、収益構造がどのように頑健でいられるかなど、さまざまな計画に対して複数のシナリオ下での状況を高度に分析し、各種国際金融規制とそれに関連する経営管理の高度化を図るとしている。

 欧米の金融機関では、リスクシナリオが経営に与える影響を捕捉し、業務方針を決定、修正するためのストレステストや、米国連邦準備制度(FRB)や欧州銀行監督機構(EBA)から定期的に要請される経営の健全性を確認するためのストレステストを実施しているという。日本国内でも、金融機関で高度化を進めているRAFの中で活用するためのストレステストの取り組みが進められている。

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