2020年には大ヒット? IoTビジネスの種6選目からうろこの行政サポート活用術(4/4 ページ)

» 2017年12月11日 12時40分 公開
[発注ナビ]
前のページへ 1|2|3|4       

配線レスの設備情報収集ツール「生産性見え太」

 プレス機など、摺動部を有する設備には「ショットカウンター」が装備され、生産数は確認きるが、そのショット数に至るまでのペースや現状のペースの把握はできない。

 「配線レス設備情報収集ツール『生産性見え太』」(開発:武州工業)は、古いスマートフォンを再利用し、貼り付けるだけで、左右に動く摺動部の稼働状況を把握できるツールだ。

 センシングにスマートフォンの「動きを感知する機能」を利用しており、稼働データを感知し、処理するアプリも新規に開発している。ネットワーク接続には、Wi-Fiや公衆通信網を使うので(100V電源への接続を除き)配線も不要だ。

Photo 「配線レス設備情報収集ツール『生産性見え太』」の概要。写真の例は、は加速度センサー付きの音楽プレーヤー「iPod touch」を活用

 物体の加速度、傾き、方向などを測定するモーションセンサーは市場に既にあるが、そこを「もう使わなくなったスマートフォン」で代用したところが面白い。ソリューションとしてのアイデアが秀逸だ。このようなフットワークの軽い発想が、“真に役立つIoT”のポイントなのかもしれない。

パトライトをセンシングして機器の稼働を監視する「is-Look」

 工場では、稼働状況を把握するため、多くの機器には「青、赤、黄」の3色のライトから成るパトライト(3色灯)が付いている。通常、青は稼働中、赤は停止中、黄色は問題発生などの意味を持つ(工場によって設定可能)。ざっと見渡して青ばかりなら問題なし、赤が点いていればダッシュで問題解決に、黄色なら部材不足などへの対応が必要になる。

 従来はこれを人間が目視で確認しているが、「ほとんどの工場では3色」という部分に着眼し、3色だけを判断できる簡易なセンサーで機器の動作状況を24時間把握するシステムと開発されたのが、「稼働監視システム『is-Look』」(開発:飯山精器)だ。工作機械のパトライトにセンサーを取り付け、ライトの色や、点灯・点滅・消灯などを光センサーで把握し、機器の稼働監視を実現している。

ALTALT 右:クリーム色のボックスがIoTセンサー「機器の稼働監視システム『is-Look』」。左にあるのは一般的なパトライト / 左:「is-Look」の利用イメージ

身近なところからIoTの“種”を探してみよう

 睡眠改善のアプリから、どこの工場にもあるパトライトに着目して3色だけをセンシングするIoTまで、インターネットを介することで環境が変化し、利便性が向上することが分かる。

 身近な「こうだったらいいのに」というニーズにこそIoTの“種”が転がっているのかもしれない。常に技術トレンドをつかみ、準備していけば、行政の支援を活用して自社の新たな強みを作れるはずだ。

 そのためには、「IoT推進コンソーシアム」や「ロボット革命イニシアティブ協議会」などの動きに注目し、行政の“推しテク”や、大賞、コンクールの情報もウォッチしておこう。

発注ナビとは

発注ナビ」は、システム開発を中心としたITサービスに特化した会社の検索・比較サイトです。

システム開発を検討している発注者をサポートし、日本全国の数ある開発会社の中から最適な発注先を見つけられるよう、さまざまなサービスを展開しています。


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ