情シスは働き方改革にどう関わるべき? Cygamesとガイアックスに聞いてみた「俺たちの情シス Special」レポート(後編)(2/3 ページ)

» 2017年12月28日 08時00分 公開
[大内孝子ITmedia]
photo Cygames 業務部部長の星野健一さん

 もちろん、安い買い物ではないため、経営に導入の承認をもらうのは苦戦するのではないか感じていました。ところが、満を持して稟議(りんぎ)書を持っていったところ、ポンとはんこをもらえて、正直少し拍子抜けしたんですが、その後、現場で実際に稼働しているところを見かけた際に「こんなの承認したっけ?」という反応で(笑)。

 ただ、その場でSurface Hubを使った大阪とのやりとりや、現場のリアクションを目の当たりにして、即断で、さらに導入を拡大するよう指示が出ました。今は、東京の拠点間や、東京と佐賀のデバッグセンターとをつなぐ準備をしています。経営陣がゲームクリエイターだということもあって、ITに対する理解や知識があるのは大きなポイントだと思いますね。現場と経営に距離があったり、対立したりする企業も少なくないと聞きますが、それでは改革は進みにくいのではないかと。

 個人的には、全ての会議室にSurface Hubを入れたいです。場所を問わずに会議ができるようにしたいですし、恐らく、今後は同じプロジェクトでも、拠点が分かれてしまうケースが出てくると思うので。そうした場合に、「今すぐにでも欲しい」という話になるのかなと思います。

板挟みになりやすい情シス、どう立ちまわればいい?

池田: 情報システム部門は、経営からのニーズと現場からのニーズ、その中間に立って、プロジェクトを進めなければいけない立場にあると思います。具体的にはどういう基準で、それぞれのニーズを切り分けているのですか?

岡本: 先日、Google Cloudチームの杉山さんが、チェンジマネジメントについての講演を行っていたのを見たのですが、「変革にあたっては、反抗勢力が重くのしかかってくるが、実際に利用している現場の人であったり経営者に対し、1人ひとりがケアをしながら合意形成のもと、組織的に体系的な施策をやりましょう」という言葉が心に残っており、社内ではそれを推奨しています。

 システムのリプレースだったり、ルールを変えるという場合、基本的に初期の企画段階から双方に関わってもらいます。その中で、全体の7割くらいの同意が得られれば、社内の合意が取れたとして対応していますね。

星野: 経営陣が決めても、現場の意見でひっくり返ってしまう――ということが以前、オフィスのリフレッシュスペースの使い方について起こったことがあります。それ以来、トップダウンの動きはもちろん大事なのですが、単に経営側がOKしていればいいということではなく、双方にしっかり合意を取りながらプロジェクトを進めることを肝に銘じています。

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