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» 2018年01月19日 08時00分 公開

夢物語で終わらせない「DevOps」(5):「DevOps」から「SalesEngs」へ――2018年、DevOpsの成功に必要なこと (2/3)

[北山晋吾(日本ヒューレット・パッカード),ITmedia]

 要するに、売れるのかどうか分からない不確実なサービスに対して、積極的なリソース投資ができない、という経営者視点を打破しなければならないのです。このような課題に対しては、一見DevOpsの迅速な改善サイクルが生かせるようにも思えますが、エンタープライズITの世界において、スムーズに導入が進まないのはなぜでしょうか。

市場のフィードバックを反映しやすくする「Canary Release」

 例えば、DevOpsにおけるカイゼン手法の1つに「Canary Release(カナリアリリース)」というリリース方法があります。これは、一部の先行顧客だけに、実際のサービスを提供(リリース)し、「そのサービスがもうかるのか」「顧客がどのように利用してくれるのか」「価値をスケールできるのか」といった指標を大量データの中から洗い出し、徐々にサービスに反映する方法です。

photo Canary Releaseは、一部の先行顧客だけに実際のサービスを提供し、フィードバックデータを集めて改善する手法です

 これを導入すると、ビジネスの失敗(リスク)や投資を最小限に抑え、市場のフィードバックを反映しながら、ビジネスバリューを高めることができるのですが、エンタープライズITの世界では、残念ながらまだまだ浸透していません。

 Canary Releaseで最も難しいのは、先行顧客に提供したサービスのフィードバックデータを分析するというアクションです。これは、技術的にバグがないかといったレベルの話ではありません。

 顧客に対して、そのサービスが価値あるものなのかを測る指標を見つけ、それに対するアクションの検討および、実施までのサイクルを回さなければいけません。そのため、エンジニアだけがデータ分析を行うのではなく、マーケティングや企画部門、そして営業部門を巻き込んで、顧客への訴求アプローチを考える必要があります。

 ところが、エンタープライズITにおいては、他の組織を巻き込んで、顧客動向を分析することが一番難しいのです。システム開発だけの課題ならば、新機能を開発したり、運用プロセスを修正したりすることで対応できますが、サービスの改善となると営業や企画、マーケティングと意思疎通を図らなければいけません。特に昨日とは違ったサービスを顧客へ提供するようなアジャイル文化は、既存の日本企業では、受け入れられにくいのも否めません。

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