「Hey Siri、ニュースを読んで」で失望した話半径300メートルのIT(2/2 ページ)

» 2018年01月24日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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「Hey Siri、ニュースを読んで」で失望する

 さて、よく考えるとこの機能は、「ありものを組み合わせただけ」ともいえます。NHKニュースの場合は既に、ニュース放送の内容自体を丸ごとポッドキャストとして配信しており、同じニュースはスマートフォンでも聞くことが可能です。

 ということは、手元にあるiPhoneと耳に入れたAirPodsの組み合わせでも、実はラジオニュースが聞けるのではないか――。そう思って早速、「Hey Siri、ニュースを読んで」と聞いてみたのですが……答えは無情にも「私にはできません」でした。「今日のニュースは?」と聞いてもダメ、「ニュースは?」と聞いても、「何をお調べしますか?」と聞き返されてしまいました。

Photo 残念……

 今ではAirPodsのようなイヤフォンを付けたまま外出する人も多いので、受動的に最新のニュースが「聞ける」ほうが便利でしょう。もちろんポッドキャストを登録して、それを聞けば同じことができます。

 しかし、一度音声操作を覚えてしまうと、それだけで操作したくなるのも事実です。この点ではiPhoneもまだまだ、日本的なローカライズの余地があるのだなぁと思いました。

 そして気になるのは、AirPodsと同じように左右のピースが分かれた小さなイヤフォンなのに、「Googleアシスタント対応」という製品が登場すること。これなら、私が望む機能を実現できるかもしれません。

 スマートスピーカーという最新のIT機器を導入したことで、意外にもラジオの魅力や利点が浮き彫りになったのは、とても面白い体験でした。

 通勤ラッシュで大混雑した電車の中では、スマホをいじることすらできませんが、口と耳はあいています。スマートスピーカーの便利なコンテンツがスマホにも展開されると、再び「ラジオへの注目が加速する」時代が来るかもしれません。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


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