原田氏達が苦労して作り上げた動画解析システムを、運用現場ではどのように利用しているのだろうか。
森氏は「行動観察を自動化して時短化できれば、本来注力したい再構築や着想を得たり、想像したりするフェーズに時間を割くことができる。そこで、AIを活用した動画解析システムで得られた物体認識データを活用した」と話す。
森氏は「AIを活用した調理動画解析で得られた物体認識データから何を見つけ、どう理解するのかを半年かけて再構築してみたところ、興味深い成果が得られた。試しに6人の調理パターンを見たところ、3つの波形パターンに分かれた。調理の過程で都度片づけや洗いが入る『波形パターン』では、キッチンを幅広く利用できた一方で、『単調増加パターン』や『崖パターン』はちょくちょく片づけを行わないため、狭いエリアで作業する傾向にあることが分かった」と具体的なデータを示しながら説明。
最後に森氏は、「これまで手作業でやっていた作業をAI化することで、可視化や分析が容易に行えるようになった。今回得られた3つのパターン分析をベースに、アンケートなどの知見、ユーザーインタビューなどを重ね合わせることで、新しいキッチンを提案していきたい」と抱負を語った。
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