ビッグローブ、10軸センサー搭載、LTE対応の小型IoTデバイス「BL-02」を発売 行動センシングやAI連携に活用

ビッグローブが、加速度センサー、気圧センサーなど、10軸センサーを搭載したIoTデバイス「BL-02」を発売。LTE通信に対応し、センシングデータのクラウド送信やAI分析への活用が容易なうえ、Android OS搭載のため、アプリ開発で幅広い利用が可能になる。

» 2018年04月12日 19時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 ビッグローブは2018年4月11日、企業向けに、10軸センサーとLTE通信機能を備えた名刺サイズのIoTデバイス「BL-02」の販売を開始した。

 BL-02は、2.8インチQVGAディスプレイ(240×320ピクセル)を搭載したAndroid端末。無線LAN、Bluetooth(BLE)に加え、LTEに対応し、GPS、加速度センサー3軸、ジャイロセンサー3軸、地磁気センサー3軸、気圧センサー1軸の10軸センサーを内蔵する。サイズは幅約57.5×高さ約93.9×厚さ約15.8ミリで、重さは102g。

 単体で位置情報や加速度、気圧データなどを収集できる他、無線LANやBLEで外部センサーからのデータを集め、LTEモバイル回線でクラウドに送信するゲートウェイ端末としても利用可能。LTE通信を利用することで、屋内外を問わず、クラウドやAIとの連携が行えるとしている。

Photo 「BL-02」

 BL-02は、Android OSを搭載するため、Androidアプリの開発環境「Android Studio」とSDKを利用してエッジ処理用のアプリケーション開発が可能な点も特徴の1つ。使用できる既存プログラムが豊富なため、Linuxベースのデバイスよりも開発が容易で、コスト圧縮や納期短縮なども見込めるという。

 ファームウェアのカスタマイズも可能で、デバイスの自動シャットダウンやLTE通信のオン/オフなど、アプリに連動した機能の実装も可能だ。

 また、BL-02はマイクとスピーカーも搭載するため、アプリ開発により、翻訳端末としても活用できるという。既にNECが提供する「多言語音声翻訳サービス」で、BL-02が翻訳専用端末として採用されている。

 開発サンプルの提供価格は、3万9800円(税別、以下同)。別途、LTEによるモバイルデータ通信の利用に当たり、「BIGLOBEオフィスサービス」(月額500円から)と「BIGLOBEモバイルM2M専用プラン」(1台当たり初期費用3394円、月額料金400円から)の契約が必要となる。

 また、同社は今後、BL-02を核にした企業向けのIoTサービスも展開する。オプティム、マルティスープ、バンプレコーダーとパートナーシップを締結しており、AIを活用したデータ分析、行動センシング、路面状況管理ソリューションを提供する。

 マルティスープの行動計測や作業分析によるソリューションや、オプティムのIoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」と連携することで、BL-02で収集したセンサーデータの可視化やAI連携による分析を可能にするという。

 具体的には、工場の作業員にBL-02を携帯させ、転倒情報や危険エリアでの労働状況を管理するサービスを提供する他、自治体の公用車にBL-02を搭載し、道路の老朽化を可視化するなど、さまざまなシーンでの活用を想定している。

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