インフラ担当とサービス担当、お互いの“距離”を縮めるために必要なことリクルート流、SREコトハジメ(3)(3/3 ページ)

» 2018年04月23日 08時00分 公開
[小見山勝ITmedia]
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 さまざまな施策を通して、事業単位での縦のつながりを強化していますが、150以上のリクルートのサービスインフラを担っているSRE部としては、同時に“横のつながり”、すなわちリクルートグループのサービスインフラ全体の進化も考えなければいけません。そこで、リクルートテクノロジーズでは、各グループの取り組みや成果の発表を行う「インフラ情報共有会」を隔週で開催しています。

 SRE部の全員が参加でき、事業ごとの特徴や、課題、施策などを共有することで、リクルートグループにおけるサービスインフラ全体のレベルを底上げしています。

SRE活動の「本質」とは?

 今回は前後編を通して、数多くのサービスを持つリクルートグループでSRE活動を行うための組織作りを紹介してきました。各メンバーにSRE活動の意識や意義を浸透させるヒントになれば幸いです。

 SREの本質は、事業との絶え間ないコミュニケーションを通じてサービスを理解し、その目的を意識しながら、各ビジネスに最適な形でインフラ上の施策を実施することにあります。特定のフローやツールを適用したり、インフラのコード化や自動化を行ったりするのは、あくまでそのサポートや1つの手段にすぎないと私は考えています。

 サービスによって課題や制約条件が異なるため、課題解決に向けた施策の選択肢も、選ぶ基準も状況によって変わるのです。結局のところ、自分たちを取り巻く環境が今どうなっているのか、そして、サービスの現在と理想の姿はどんなものなのかをサービス担当者と一緒に見定めて、適切な施策を講じていくことが重要であり、それができなければ、SREを行う意味はありません。

 次回以降は、リクルートにおける具体的なSRE活動の中身を幾つか紹介します。お楽しみに。

著者プロフィール:小見山 勝(こみやま まさる)

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株式会社リクルートテクノロジーズ ITエンジニアリング本部 サイトリライアビリティエンジニアリング部所属。ライフスタイル系サイトのインフラ担当としてSRE活動を実施。

キャリアSIerにてエンタープライズ向けシステムの検証、構築、運用を経験。その後、ベンチャー企業で大手比較サイトの大規模トラフィック、大規模システムリプレースを経験し、現業に従事、現在に至る。趣味はウィスキーを嗜むこと。学んで、飲んで、見て、会話し、楽しむ。


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