日本マイクロソフトは、デザインシンキングを全社展開する上で、デザインシンキングのための専用ルームを社内に設置した。
東京・品川の同社本社の26階に設置した専用ルームは、協創人材の派遣やコンサルティングサービスによるベストプラクティスの展開を行う一方、政策立案に向けた課題抽出とデザインから、プロトタイピング、実装までを支援。営業、サービス、マーケティング、エバンジェリストが一丸となって各フェーズで適切な支援を行う他、パートナー企業と協創し、将来の実装までを意識するという。
専用ルームは、かつて横長の机が置かれた一般的な会議室だったという26階の会議室エリアの一角にある。
壁は、思い立ったらすぐに手書きで書き込みをしたり、メモ用紙に書いて貼り付けたりできるようにしている他、Surface Hubに情報を映し出したり、プロジェクターを使って表示することも可能だ。
特徴的なのは、部屋の照明を変えられる仕掛けだ。日本マイクロソフトの平野拓也社長は、「会議の目的によって、照明を変えるのは新たな挑戦の1つ」と話す。
専用ルームでは、「POSITIVE MIND(積極的)」「OPEN MIND(開放的)」「INTELLECTUAL(理論的、左脳)」「RELAX(リラックス)」「CONCENTRATION(集中)」「INTUITIVE(直感重視、右脳)」の6種類から照明を選べる。クリエイティブを目的とした会議であれば、RELAXやINTUITIVEといった照明を選ぶのがいいというわけだ。
この専用ルームは、デザインシンキングで先行することになったパブリックセクター向けの部屋ではなく、全社員が利用できる。他の会議室は空いていても、この部屋の利用率は高いようで、取材当日も、午前中から夕方まで、ずっと予約が埋まっていた。
また、日本マイクロソフトでは、デザインシンキングに関して、約100人体制で実践的な教育を行っており、こうした取り組みを通じて、会社全体に、デザインシンキングの手法を展開していくという。
米本社では既にこの手法が定着しており、日本マイクロソフトでも導入するよう、本社から促されたという。
デザインシンキングを導入することで、日本マイクロソフトはどんなふうに変わっていくのだろうか。まずは、パブリックセクターの成果が注目される。
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