デザインシンキングはB2Bのサービスをどう変えるのか 導入を決めた日本マイクロソフトに聞いてみたMicrosoft Focus(2/2 ページ)

» 2018年04月24日 11時00分 公開
[大河原克行ITmedia]
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デザインシンキング向けの会議室も誕生 6色の照明を使い分け?

 日本マイクロソフトは、デザインシンキングを全社展開する上で、デザインシンキングのための専用ルームを社内に設置した。

 東京・品川の同社本社の26階に設置した専用ルームは、協創人材の派遣やコンサルティングサービスによるベストプラクティスの展開を行う一方、政策立案に向けた課題抽出とデザインから、プロトタイピング、実装までを支援。営業、サービス、マーケティング、エバンジェリストが一丸となって各フェーズで適切な支援を行う他、パートナー企業と協創し、将来の実装までを意識するという。

 専用ルームは、かつて横長の机が置かれた一般的な会議室だったという26階の会議室エリアの一角にある。

ALTALT 左:専用ルームは「Brainstorming room」の名称 / 右:26階の会議室エリアの一番奥にある
Photo 移動しやすい机を使い、立ったまま会議ができるようにしている
ALTALT 左:1人が1台利用するタイプの机になっている / 右:机は座って利用でき、参加者に合わせて増減できる
Photo 後方向にはオブザーバーとして参加できるようなスペースもある

 壁は、思い立ったらすぐに手書きで書き込みをしたり、メモ用紙に書いて貼り付けたりできるようにしている他、Surface Hubに情報を映し出したり、プロジェクターを使って表示することも可能だ。

ALTALT 左:壁に設置されたホワイトボード / 右:ホワイトボードには書いて貼り出せるメモが常備されている
ALTALT 左:天井には2台のプロジェクターを設置 / 右:壁に映し出せるようにしている
ALTALT 左:壁のあちこちに手書きができるようにしている / 右:さまざまな位置からディスプレイに表示できるように配慮している
ALTALT 左:コンセントもふんだんに用意されている / 右:床は明るい木目調にしている
Photo こちらは従来の会議室。これと同様の部屋を改装した

 特徴的なのは、部屋の照明を変えられる仕掛けだ。日本マイクロソフトの平野拓也社長は、「会議の目的によって、照明を変えるのは新たな挑戦の1つ」と話す。

Photo 日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏

 専用ルームでは、「POSITIVE MIND(積極的)」「OPEN MIND(開放的)」「INTELLECTUAL(理論的、左脳)」「RELAX(リラックス)」「CONCENTRATION(集中)」「INTUITIVE(直感重視、右脳)」の6種類から照明を選べる。クリエイティブを目的とした会議であれば、RELAXやINTUITIVEといった照明を選ぶのがいいというわけだ。

Photo 部屋の照明は6種類から選べる
ALTALT 左:「POSITIVE MIND(積極的)」の照明 / 右:「OPEN MIND(開放的)」の照明
ALTALT 左:「INTELLECTUAL(理論的、左脳)」の照明 / 右:「RELAX(リラックス)」の照明
ALTALT 左:「CONCENTRATION(集中)」の照明 / 右:「INTUITIVE(直感重視、右脳)」の照明

 この専用ルームは、デザインシンキングで先行することになったパブリックセクター向けの部屋ではなく、全社員が利用できる。他の会議室は空いていても、この部屋の利用率は高いようで、取材当日も、午前中から夕方まで、ずっと予約が埋まっていた。

 また、日本マイクロソフトでは、デザインシンキングに関して、約100人体制で実践的な教育を行っており、こうした取り組みを通じて、会社全体に、デザインシンキングの手法を展開していくという。

 米本社では既にこの手法が定着しており、日本マイクロソフトでも導入するよう、本社から促されたという。

 デザインシンキングを導入することで、日本マイクロソフトはどんなふうに変わっていくのだろうか。まずは、パブリックセクターの成果が注目される。

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