ルーティンワークの時間が4分の1に 住友林業情報システムに学ぶ、“すぐ効く”RPA導入法働き方改革のリアル カンファレンス セミナーリポート(3/3 ページ)

» 2018年05月11日 07時00分 公開
[タンクフルITmedia]
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チームの結束を高めて生産性を上げるには――リックソフト

Photo リックソフト ソリューション推進部 大塚和彦氏

 プロジェクト管理ツール「Jira Software」(以下、Jira)やコンテンツコラボレーションツール「Confluence」を提供するAtlassianのパートナーとして、国内でのAtlassian製品の販売を手掛けるリックソフト。同社ソリューション推進部の大塚和彦氏は、「今日はツールの活用ではなく、コミュニケーションの在り方に着目して話したい」として講演を始めた。

 大塚氏は、日本企業にありがちなコミュニケーションについて「上層部から命令が来て、それをマネジャーが受け止めて部下に流すというピラミッド型で、横のつながりがない」と指摘。続けて、「今、求められているのは、目標が中心にあり、目標・計画をチームの皆で設定して共有するような形。すべきことを明確化し、状況や状態を共有して皆でサポートする形」と説明した。

 大塚氏は、こうしたコミュニケーションの在り方を「ゼロ方向のコミュニケーション」と表現。それを実現するには、実は昔ながらのコミュニケーション手法である「ほう・れん・そう」が重要だという。

 「RPAなどのツールを使って業務を自動化し、生産性を高めても、そこから人間同士のコミュニケーションがなくなることはなく、仕事におけるコミュニケーションの基本である“ほう・れん・そう”は必ず残る。どんなに自動化しても、『今、このプロジェクトがどの段階にあるのか』といった報告がなくなることはない」(大塚氏)

Photo 「ほう・れん・そうを怠ったときのリスクを軽く考えてはならない」と大塚氏

 大塚氏によれば、報告は「進捗(しんちょく)状況を伝えること」、連絡は「メンバーに情報を共有すること」、相談は「メンバーや上司にアドバイスを求めること」で、いずれもビジネスを滞りなく進めるには必要なことだという。それができない理由として挙げられるのは、例えば「『そんなことは報告しなくてよい』と上司に言われてしまう」「ほう・れん・そうの内容が明確でない」「どのタイミングでほう・れん・そうすればよいのか分かりにくい」「上司に話しかけにくい」などだ。

 そこで大塚氏が提案するのが、Jiraの活用だ。「プロジェクトごとに未着手、作業中といった状況を一目で確認でき、その状況をチャットツールやメールで通知する。いわば、ほう・れん・そうをツールがしてくれるようなイメージ」(大塚氏)。

 大塚氏は、6時間ある作業時間のうち3時間を報告書作成やミーティングといった情報共有に費やしていたスタッフが、Jiraを使うことで「3時間を1時間に短縮でき、空いた2時間を実務に充てたことで生産性が上がった」という企業の事例を紹介。その上で、「働き方改革の本質はツールの導入ではない。『企業が生き抜くための戦略の1つ』だ。将来にわたっていかに生産性を高めるかという戦略を立案して実行すること」と、生産性向上の大切さを改めて強調して講演を終えた。

Photo 本質はツールの導入ではなく、チーム力を高めるコミュニケーションの在り方こそ重要という
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