「GitHubの次期CEO、ナット・フリードマンだけど何か質問ある?」 海外の掲示板で実施Atomはどうなる? などの質問に回答(3/3 ページ)

» 2018年06月13日 08時00分 公開
[新野淳一Publickey]
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GitHubアカウントはどうなる?

 最近では、WindowsへのログインにもOfficeの利用にもMicrosoftアカウントが要求されるようになっており、Microsoftは同社の製品やサービスの全体にわたってMicrosoftアカウントの利用範囲を広げようとしています。これがGitHubにも広がるのではないか、という心配も質問として投げかけられました。

 これについては、そうした予定はなく、逆にデベロッパーにとっては、MicrosoftのサービスにGitHubアカウントでログインできるようにするかもしれない、とまで答えています。

 Are you keeping normal GitHub accounts or trying to push users to use a universal Microsoft account for GitHub login?

 GitHubアカウントをそのまま維持しますか、それともGitHubのログインにマイクロソフト共通アカウントを使うようにしようとしますか?

 We love GitHub login. Your GitHub account is your developer identity, and many users are accustomed to signing into developer tools and services (e.g. Travis, Circle) with their GitHub accounts. So, if anything, we may decide to add GitHub as a login option to Microsoft.

 われわれはGitHubログインを尊重しています。GitHubアカウントはみなさんのデベロッパーアイデンティティーであるし、多くのユーザーはそのGitHubアカウントを開発ツールやサービスのサインインにも使っています(例えばTravisCIやCircleCIなど)。だから、どちらかといえばマイクロソフトへのログインのオプションとして、GitHubアカウントを追加する、という決断をするかもしれませんね。

ホットドッグはサンドイッチなの?

 GitHubはプライベートリポジトリを無料にしないの? という質問には、まだ分からないとの返答。さすがに、就任前の段階でサービスの価格設定などの具体的な話には答えられないでしょうね。

 Do you have any plans to make private repos free as on GitLab and BitBucket?

 GitLabやBitBucketみたいに無料のプライベートリポジトリを提供する予定はある?

 Thanks for the question, but it's too soon for me to know the answer to that. We want GitHub to be accessible to everyone in the world, and for everyone to have an opportunity to be a developer.

 質問ありがとう。ただ、まだ私がそれに答えるのは時期尚早と思います。われわれはGitHubを世界中の誰もがアクセスできるようにしたいと思っているし、誰もがデベロッパーになる機会を提供したいと思っているよ。

 もちろんAMAには、掲示板でよくあるくだけた質問も登場します。どうやらフリードマン氏はベジタリアンのようです。

 Hi Nat! Welcome to GitHub! I only have one simple question: Is a hotdog a sandwich?

 やあNat、GitHubへようこそ! 1つ聞きたいんだけど、ホットドッグはサンドイッチなの?

 don't know, I don't eat meat!

 分からないよ、僕は肉を食べないんだ!

 全体にフリードマン氏の答えは開発者の事情や心配をちゃんと理解し、それについて真摯に対応しようとしているように見えます。その受け答えはもちろん、そもそもこんな非公式でカジュアルな質疑応答をCEO就任前にできることそのものが、GitHubのユーザーおよびオープンソースカルチャーを好むデベロッパーへのアピールになったはずです。

 と同時に、Microsoftにとって、GitHubという大型買収の前にXamarinを買収し、フリードマン氏というオープンソースに理解がありつつ、ソフトウェア企業のトップを経験した人材を得ていたことは、幸運だったといえるのではないでしょうか。

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