MITが開発する四足ロボット「Cheetah 3」は、カメラや視覚センサーなしで“触覚”だけで走り、ジャンプし、階段を登る(動画あり)。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)は7月4日(現地時間)、開発中の四足ロボット「Cheetah(チータ)」の3代目、「Cheetah 3」が、コンピュータビジョン用カメラなしで足場の悪い場所で跳躍、駆け足、階段を登ることができるようになったと発表した。
あえてカメラを付けずにジャイロスコープや加速度センサーなどで作り出す“触覚”のみで動けるように訓練している目的は、災害現場や人間が入れない環境などで活動できるようにすることという。そうした現場では視界が悪いことが多い。また、視覚からの情報にはノイズが多く、やや不正確だし、データを解析して行動に移すには時間がかかると研究者は説明する。
公開された動画(記事末に転載)を見ると、研究所に設置された階段には木片などがばらまかれており、Cheetahは木片を払いながら登っている。また、Boston Dynamicsのロボットのように、横から突き飛ばしてもバランスを取り直せる。
こうした動きが可能になったのは、「contact detection(接触検出)」と「model-predictive control(モデル予測制御)」という2つの新しいアルゴリズムによるという。
接触検出アルゴリズムは、ロボットの脚の動きを制御する。例えば、堅い岩ではなく、軽い枝を踏んだらそのまま踏み込まずに戻るといった判断をする。モデル予測制御アルゴリズムは、ロボットが脚を振る動作から踏み込む動作に移る最善のタイミングを調整する。Cheetahは、がれきなどを踏んでバランスを崩しそうになると、体の傾きを検出して即座に次に脚を置くべき場所を計算する。
このプロジェクトを支援するのは、韓国Naver、Toyota Research Institute、中国Foxconn、米空軍科学研究局などだ。
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