Google、AIツール構築サービス「Cloud AutoML」の画像認識版をβに、自然言語と翻訳もβで追加

Googleが1月に発表したコーディングの知識がなくてもAIツールを構築できるサービス「Cloud AutoML」をβ版にアップデート。既存のVisionの他、Natural LanguageとTranslationも公開した。

» 2018年07月25日 11時30分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Googleは7月24日(現地時間)、クラウドサービス関連の年次イベント「Google Cloud Next ’18」で、コーディングの知識がなくてもデータがあれば人工知能(AI)ツールを構築できるサービス「Cloud AutoML」の進捗を発表した。

 同社は1月、CloudMLを発表した際、まずは画像認識に最適化したサービス「Cloud AutoML Vision」のα版の提供を開始した。

 これがβ版になって利用価格が設定され、さらに、自然言語の「Cloud AutoML Natural Language」と翻訳の「Cloud AutoML Translation」もβ版で公開された。

 Cloud AutoMLは、機械学習の専門知識を持たない企業が、Googleの技術を使うことで、独自のカスタムモデル構築を可能にするサービス。教師データにするデータをドラッグ&ドロップでアップロードし、既に学習済みのモデルを「転移学習」で訓練し、そのモデルを直接Google Cloud Platformにデプロイできる。シンプルなモデルであれば数分で作れるという。

 automl 1 Cloud AutoMLの仕組み(Natural Language)

 Cloud Natural Languageは、ニュース記事やブログ投稿などのコンテンツを解析・分類するツール。例えばSNSでの製品の評判を解析したり、サポートセンターへの顧客の問い合わせの意図を解析したりすることに応用できる。

 Cloud AutoML Translationは、ニューラル機械翻訳のためのモデルを訓練できる。公式ブログではユースケースとして、日経新聞社が紹介されている。同社は日経新聞の記事のNikkei Asian ReviewやFinancial Timesに翻訳しており、「AutoML Translationの正確さに感銘を受けた」と語った。

 各サービスのβ版の利用料金については、それぞれのWebサイトに表示されている。例えばCloud AutoML Translationでのトレーニングは2時間までは無料、3時間以上は1時間当たり76ドル。予測は50万1文字以上500万字までが100万文字当たり80ドル。Translation APIの価格は翻訳料は100万文字当たり20ドル、言語検出も同額だ。

 atoml 2 AutoML Translation βの価格

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