そのPC、そんな“空き容量”で大丈夫か? Windows 10のアップデートに潜むワナ横河レンタ・リースの「Win10運用マスターへの道」(5)(2/3 ページ)

» 2018年07月26日 08時00分 公開
[松尾太輔ITmedia]

 最近のPCはローカルストレージに小型のSSDを採用しているものが増えています。HDDよりも消費電力が少なく、高速であるため、薄型軽量を目指すモバイルノートPCとの相性が良く、生産性の向上も見込めるでしょう。モバイルワーク(テレワーク)をはじめとする働き方改革にもぴったりです。

 HDDとSSDでは、Windows 10のFeature Updateにかかる時間も大きく変わります。HDDが2〜3時間くらいかかるのに対して、SSDだと大体30〜40分ほどで終わります。ひたすら読み書きを繰り返すアップデートの処理においては、HDDとSSDの性能差が顕著に表れるのです。

 しかし、SSDはHDDに比べて容量単価が高いことがネックになります。実際、OSやOfficeなどのアプリが60GB以上使い、さらに20GB弱をFeature Updateのために空けておかなければならないとなると、残りの容量はどれくらいになるでしょうか。最近は、写真や動画など、容量が大きなデータを仕事で扱うことが増えていますし、128GB以下のSSDでは、「仕事用マシンとしては使い物にならない」と言われても不思議ではない状況です。

「ローカル内にデータを置かない」という選択肢

 こうしたトラブルを避けるには、IT管理者がローカルストレージの空き容量を管理するほか、「PCのストレージ容量を増やす」「ローカルストレージの利用を制限する」といった方法があるとは思いますが、コストの負担が重かったり、ユーザーの利便性を損なったりというデメリットもあります。

photo PC内にデータを置かない「データレスPC」は、Windows 10のアップデートに有利な側面があります

 最近では、セキュリティなどの観点から、VDIやクラウドストレージの活用をはじめとして、ローカルにデータを置かせないようにする「データレス化」を進める企業も出てきていますが、これはWindows 10のアップデートに有利な面があります。

 万が一、Windows 10のアップデートに失敗した際、OSが起動しなくなったPCからデータを“救出”するのは骨が折れる作業です。ましてや暗号化している場合、暗号化キーをきちんと管理していなければ、データは永久に失われるでしょう。しかし、データがクラウド上にあれば、その心配はありません。

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