NECによれば、顔認証の精度は通常環境下では99.7%で、0.3秒で160万件のデータ照合が可能。ただし、どうしても本人と分かる状態でエラーが出た場合、東京2020大会では、「人の目で認証を行う(岩田氏)」としている。
東京2020大会に向けては、外部からのサイバー攻撃対策がたびたび話題に上っている。会場では、顔認証向けに集められたデータが改ざんされ、認証を突破されるリスク対策について質問が飛ぶ場面もあった。
岩下氏は、「顔認証に使う画像から、会場のフェンスに設置した監視カメラの映像など、厳格なアクセスコントロールを定めて守る。システム管理を行うAtosをはじめ、ネットワークの設置管理を担当する(同大会の)テクニカルサービス局や、情報システム部から独立した警備局のサイバー攻撃対処部とも連携して対策を講じる」と語った。
NECの菅沼氏は「生体認証は海外でも非常に進んでおり、純粋な防犯対策以外にも、会員制のスポーツ施設やコンサート会場での認証など、エンターテインメント分野からの引き合いが多い。東京2020大会をきっかけに、今後は活用の場を広げていきたい」と語った。
都心での会場確保や混雑の解消、猛暑への対策など、東京2020大会の課題は尽きない。開会までに、今ある課題をテクノロジーでどれほど解決できるかが、開催側の腕の見せどころではないだろうか。
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