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» 2018年11月07日 07時00分 公開

Teradata Analytics Universe 2018:「このホテル、あなたはいくらなら予約する?」も推測――楽天トラベルのAI活用、その裏側 (1/2)

あなたはいつ、どこへ旅行するのか、そこにいくら払うのか――そうしたユーザーの“意図”を、AIを使って見極めようとしている企業がある。オンライン旅行予約サービス「楽天トラベル」を展開する楽天だ。

[高木理紗,ITmedia]

 旅行業界では今、競争の場がオンラインに移りつつある。「旅行に行きたい」と思い立ったとき、大半の人は、旅行代理店に行く前にオンラインで検索を始めるはずだ。直近ならいつのフライトを予約できるか、どこのプランが一番安いか、ペットを連れていけるホテルはどこか――条件を明確にすれば、スマホ1台で理想的な旅行プランを組み立てられる時代、ユーザーにとって「思い通りの旅行を実現できるサイトかどうか」は、重要な選別ポイントだ。

 こうした中、ユーザーの検索履歴や行動データを分析することで、一人一人に合ったサービスを提供し、競争力を高めようとしている企業がある。ホテルや航空機のオンライン予約サービス「楽天トラベル」を展開する楽天だ。

photo 「楽天トラベル」のWebサイト外観

 同社は、「出張向けビジネスホテル検索」「国内旅行ツアー」「海外旅行」など、ユーザーのニーズを意識したWebサイトを運営している。2017年に日本観光振興協会がヴァリューズと共同で出した統計によれば、年間3300万人以上が同社のサイトを訪れた。国内の観光予約サイトとしては、3本の指に入る人気だ。

データを使ってユーザーに合わせたサービスを強化

 当然ながら、これまでも同社はデータの活用を進めてきた。ホテルや航空券の予約在庫や空き状況などを、いわゆる「マスターデータ」としてデータベースに収納し、各Webサイトにどれだけのアクセスがあったか、何人が各ホテルのページを閲覧し、そのうち何人が実際に予約したのか、それが国内なのか、海外なのか、といった情報を計算した上で、日次や月次のレポートにする仕組みができている。しかし、今後は売り上げを可視化するだけではなく、売り上げを最大化するための施策が必要になるという。

 楽天のトラベルプロダクト開発部でデータ運用に関わる勝田倫史さんは、「今最も注力しているのは、ユーザーへの『おすすめ』やサーチ結果を表示する順番の最適化です。具体的には、ユーザーがどの順番でホテルをチェックしたか、といった点に好みの傾向があると考えているので、ディープラーニング(深層学習)を使ってそれらを学習し、ユーザー体験の質を上げようとしています」と語る。

photo 楽天のトラベルプロダクト開発部 Customer Data Platformグループでデータ運用に関わる勝田倫史さん。2018年10月、Teradataの年次イベント「Teradata Analytics Universe 2018」で講演した

 勝田さんによれば、同社では、2017年に分析チームを設立。ユーザーの許可を取ってデータを収集し、分析を通して行動を見極めることで、ユーザーに対するアプローチを変える取り組みを始めた。その内容は、「それぞれのユーザーが旅行に対して何を求めているか」に100%寄り添おうとするものだ。

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