小さく始める事業のハマりどころ「Excelファイルまみれ」との別れ方、東急ベルの場合

予算が限られる中でITの力を借りた業務効率化はどこまでできるだろうか。従業員個人の頑張りにたよったExcelファイル管理を脱出し、効率よく内製化を推進する体制を構築した企業の成功例を見てみよう。

» 2021年09月22日 12時30分 公開
[吉田育代ITmedia]

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 先に公開した前編「見えてきた日本企業がハマるDX失敗の4パターン “ダメックス”企業はこうして生まれる」は、DX推進が進まない企業(=「ダメックス」企業)に象徴的な特徴4つから日本企業のDX推進の課題を見てきた。後編の本稿は、内製化を成功させた東急ベルにおける社内変革の成功事例から、脱「ダメックス」企業のヒントを見ていく。

 東急グループの「東急ベル」は「家ナカをもっと便利に」をコンセプトに、首都圏を中心とした東急線沿線住民向けに家事代行やネットスーパー、日用品の宅配サービスなどの事業を手掛ける。

東急ベルのWebサイト

 小規模な施策から始める事業でよくあるのが、立ち上げ当初は人員やシステムなどを最小限にとどめてスモールスタートの体制を取ったものの、事業が成長した際に顧客の要請に運用が間に合わなくなる問題だ。長期的に同じ事業を続ける想定であれば大規模なシステム投資も可能だが、ことコンシューマーサービスの領域は顧客ニーズに即して柔軟に変化し続けられる体制が望ましく大規模なIT投資に踏み切りにくい。

発注も配送手配も支払い管理もExcelまみれ、アプリ内製化

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