KDDIは3月2日、RF ID(電子タグ)の読み取り機能を搭載した携帯試作機を開発したと発表した。発売時期や価格は未定。同機能を搭載した携帯は、業界初。
開発したのは「パッシブタイプ」と「アクティブタイプ」の2種類。それぞれ、電源を持たず5センチ程度の近距離通信が可能な“パッシブタグ”を読み取るタイプと、電源を持ち最大10メートル程度の通信が可能な“アクティブタグ”に対応したタイプになる。
― | パッシブタイプ | アクティブタイプ |
---|---|---|
電子タグ仕様 | ミューチップ | 独自仕様 |
電子タグ周波数 | 2.45GHz | 315MHz |
電子タグIDビット長 | 128ビット(受信のみ) | 64〜128ビット(送受信) |
タグ読み取り距離 | 約5センチ | 最大約10メートル |
読み取り動作回数 | 約3000回 | ―(約10時間) |
タグリーダサイズ | 38×100×15ミリ | 38×80×10ミリ |
パッシブタイプは、商品に携帯をかざして非接触でRF IDを読み取る。これにより、商品の産地や流通履歴などを参照できる。流通業者が商品の運送、納品などの配送状況を管理することにも利用可能だ。
アクティブタイプでは、地下街の壁などに設置されたアクティブタグが送信するID情報を、離れた位置で受信できる。ポスターや案内板などに取り付けたタグから、周辺施設の広告や障害者向けのバリアフリー情報、危険を知らせる緊急情報などを取得することが考えられるという。
RF IDの読み取りは、ソフトウェアベースで制御する。試作機は「W11H」をベースに開発したため、Javaを利用した。「商用化された場合は、BREW版ソフトの開発もあり得る。もっとも、現時点で特に予定はない」(KDDI)
同社は今後、メーカーや産業界、研究機関と協力して実証実験を展開する予定。実用化に向けて、ビジネスモデルの検証やノウハウを蓄積するという。
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