5分で分かる、今週のモバイル事情 5月7日〜5月13日:

» 2005年05月13日 23時42分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

ドコモ決算報告

 5月10日、NTTドコモは2004年度の連結業績を発表した(5月10日の記事参照)。上場以来右肩上がりの業績だったドコモが、営業収益、営業利益ともにダウンしたのは初めて。2期連続で増収増益のKDDIとはある意味対象的な結果となった(4月28日の記事参照)

 しかし、ドコモ社長の中村維夫氏は「具体的な成果が得られた年」と振り返る。中村氏の社長就任時の最大の課題が「解約率(契約者数に占める解約者の割合)の低下」。2004年度は、各種の割引などが功を奏して、結果が出始めているからだ。2004年度の解約率は通期で1.01%と、KDDIの1.44%を下回る(5月10日の記事参照)。さらにドコモは現在、2Gから3Gへの移行期間であり、端末経費や減価償却にコストがかさむのは仕方がないところだ。

 解約率は、携帯電話ユーザーの定着率を示す指標である。ドコモが解約率を重視するのは、2006年に始まるMNP(ナンバーポータビリティ)を見据えて、顧客基盤を強化しなくてはならないためだ。コラムでも指摘されているとおり、現時点での両社の業績を単純に比較したところで、あまり意味はない。

ウィルコム、音声定額人気で6万の純増

 電気通信事業者協会(TCA)は5月11日、携帯電話/PHSの2005年4月の契約者数を発表した(5月11日の記事参照)。携帯電話契約数は43万7700増えて、8743万5300となっている。

 各キャリアの純増数を見ると、ドコモが25万、KDDIは23万8100で接近している。ボーダフォンは3Gユーザーが約14万増えているが、PDCの純減は補えず、トータルで4万の純減という結果に終わった。

 しかし最大の注目はPHS。ドコモ、アステルが着々と規模を縮小していく半面、ウィルコムは一人勝ち状態だ。3月も3万3000の純増と好調だったが、4月はこれをさらに上回る6万の純増を記録。3月15日に発表した、月額2900円の音声定額プラン(3月15日の記事参照)が牽引力となっている。

10月が目処? 秋から3キャリアでEdy対応携帯

 ボーダフォンは10月にEdy機能を搭載した携帯電話を発売することを発表した。同時期にサービス開始も目指すという(5月11日の記事参照)。Edyの電子マネー機能がボーダフォンのFeliCa搭載携帯電話で利用できるようになる。

 ボーダフォンがFeliCaチップを搭載した携帯電話を発売することはすでに明らかになっていたが、サービス内容について明らかにしたのは初めて。KDDIでも2005年の秋にEdy対応、2005年度後半にはSuica対応を予定している。今年の秋以降は、3キャリアの携帯電話で共通してEdy機能が利用できるようになる見込みだ。

さて、来週は?

 18日水曜日から20日金曜日まで、東京ビッグサイトで「ビジネスショウ2005」が開かれる。「モバイル&ネットワークフェア2005」では、“モバイル&ネットワークが創る近未来ビジネス”をテーマに、情報ネットワーク関連の製品/システム/サービスなどの展示が行われる。

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