ライバルの登場がスマートフォン市場を広げる──Forum Nokiaインタビュー(1/2 ページ)

» 2005年05月30日 11時58分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 5月25日から26日にかけて香港で開催された「Nokia Mobile Application Summit APAC 2005」。主催するForum Nokia Proは(2004年5月の記事参照)、コンテンツやプログラムを開発する企業や開発者の支援を行っており、世界各国でコンテンツプロバイダーと通信オペレーターの間を取り持つイベントを実施している。

 アジアの携帯市場の現状や、コンテンツビジネス開発の今後について、Business Developnment & Channelsのシニアディレクター ブラッド・ブロフォウグ氏、ディレクターのヤリ・スータリネン氏、Senior Business Development Managerの遠藤元宏氏に聞いた。

海外のコンテンツ市場拡充に、日本の開発経験は不可欠

ITmedia Forum Nokiaの会員数はどのくらいの規模に達しているのでしょう。

ブロフォウグ氏 Forum Nokiaの会員数は2005年3月現在、世界各国から200万を超えています。またForum Nokia Proには400強の企業が参加しています。

ITmedia 日本では、どのような活動を行っていますか。

遠藤氏 日本での活動は約3年前から行っており、Forum Nokia Proは海外では昨年1月から、日本では昨年6月から開始しています(2004年5月の記事参照)。6月15日から16日には、Forum Nokiaの主催としては日本初のイベントとなる「Mobile Business & Technical Days」を東京で開催します。

スータリネン氏 日本には多くのコンテンツプロバイダーが存在し、優れたアプリケーションやサービスを開発しています。Forum Nokia Proでは、こうした企業に対する海外進出のサポートも行っています。

ITmedia Forum Nokia/Forum Nokia Proに参加している日本のコンテンツプロバイダーに期待するのは、どんな点ですか。

スータリネン氏 日本のコンテンツプロバイダーには、日本におけるコンテンツビジネスの豊富な経験があります。さまざまなコンテンツ分野で実績を上げており、それが海外市場全体のコンテンツビジネスの拡充に大いに寄与すると考えています。

ITmedia Nokiaにはマスマーケット向けのSeries 40、エンタープライズ向けのSeries 80、そしてスマートフォンのSeries 60といったプラットフォームがあります(2003年6月の記事参照)。今回のイベントでは(5月27日の記事参照)、Nokia Series 60を採用したスマートフォン向けのゲームやコンテンツの展示が目立った印象を受けます。

ブロフォウグ氏 Forum Nokiaは、Nokiaのあらゆるプラットフォーム向けの開発をサポートしており、1つのプラットフォームだけに注力していくわけではありません。ただ、より高度なコンテンツやアプリケーションを開発しようとするコンテンツプロバイダーや開発者が、スマートフォンであるSeries 60を開発プラットフォームの中心に据えるということはあるでしょう。

ライバルの登場がスマートフォン市場を広げる

ITmedia 日本ではモバイルFeliCaなど(特集参照)、リアル連携型のビジネスモデルへのシフトが進んでいます。海外では今後、どのようなモバイルビジネスがトレンドとなるのでしょう。

スータリネン氏 日本のコンテンツビジネスは今や、成熟した一大産業となっています。しかし海外では、まだそのレベルに至っていません。例えばAPAC地域ではJavaゲームや着信音のダウンロードビジネスは今後もまだまだ成長するでしょう。

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