5分で分かる、今週のモバイル事情 6月11日〜6月17日:

» 2005年06月17日 23時59分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

ウルトラ vs スーパー? 3Gの先が話題に

 6月15日、KDDIは社長の定例会見で携帯電話の高速化戦略を明らかにした(6月15日の記事参照)

 2005年から2010年にかけて、3Gの進化版が次々と登場する。KDDIが高速化戦略を明らかにしたことで、各社“3Gの先”の動向が見えてきたと言えそうだ。

 ドコモは2006年にHSDPAを導入、その後「スーパー3G」とも言われる3.9Gを経た後で、4Gを目指す。KDDIは2006年には上りを1.8Mbpsに高速化したEV-DO Rev.Aを導入。下り最大1Gbpsの次世代CDMAについても、2007年中にスペックが決まる見通しだ。ボーダフォンでもHSDPAの試験を始めている(6月17日の記事参入)

 次世代通信ネットワークについて考えるとき、通信速度の高速化と、もう1つのテーマが「固定網と携帯網の融合」だ。各種の通信ネットワークがIP化し、新旧の携帯網、固定通信網、さらには各種無線ネットワークがつながっていく将来像が見えてきた。KDDIは「ウルトラ3G」という名称でこの構想を説明する(6月15日の記事参照)

 法人市場では2004年末頃からIP電話を無線化し、3G携帯ネットワークとつなげていく「モバイルセントレックス」の導入例が増えつつある。日本では「FOMA N900iL」を使ったドコモの「PASSAGE DUPLE」が知られるが、ネットワークのIP化をベースにした「固定と携帯の融合」はワールドワイドな動きだ(6月14日の記事参照)

Nokia、SonyEricssonが新端末、LG電子がFOMAを開発

 6月14日〜17日、シンガポールで通信系企業が集まる展示会「CommunicAsia2005」が開かれた。また、Nokiaもシンガポールで、「Nokia Connection 2005」を13日から開催。このタイミングに合わせて、新端末がいくつか発表された。

 Nokiaはマルチメディア対応の新機種「Nokia 6280」「6270」を発表。いずれも2メガカメラを備え、音楽プレイヤーを搭載したミドルレンジモデルだ(6月14日の記事参照)。Nokiaはほかにもマルチメディア端末として「6265」「6111」「6060」「2255」「2125」を発表している(6月13日の記事参照)

 またSony Ericssonは、13日にW-CDMA端末「K608」を発表。130万画素カメラを搭載し、音楽プレーヤー機能も備える(6月13日の記事参照)

 アジア市場という視点では、もう一つ大きなニュースがあった。ドコモとLG電子が、FOMA端末の開発で合意、2006年春にiモード端末の販売を始める(6月13日の記事参照)。ドコモは既にMotorolaとFOMA端末「M1000」を開発済みだが、iモード端末を海外メーカーと開発するのはこれが初めてとなる。

ライブドア、公衆無線LAN事業に参入

 ライブドアは7月から都内で無線LANサービスを開始することを発表した。月額525円という低料金と、山手線圏内の80%をカバーする広いエリアを売りに、広くユーザーを獲得する。IBMやパワードコムと提携して法人向けサービスを展開する。IP電話を活用して携帯の牙城にも切り込む構えだ(参考記事 123)。

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