上場廃止後株主のメリットは?──ボーダフォン株主総会

» 2005年06月29日 16時20分 公開
[ITmedia]

 ボーダフォンは6月29日、都内ホテルで第19回定時株主総会を開催した。議案は取締役6名の選任で、滞りなく可決された。

 会場では利益配分についてと、上場廃止に伴う株式所有のメリットについて質問が出た。

 まず「利益処分について、同業他社と比較して配当金が少ないのではないか。来年、配当金を引き上げる予定があるか」という質問については「昨年度は3Gネットワーク設備の増強とサービスエリアの拡充に努めた。今年度もさらに設備投資を行う必要がある。今後、競争環境が激化されると予想される中で、財務基盤を安定させることが重要だと考えている。引き続きよいプロダクト、ネットワークのために資金を使っていく。今後の配当金は、業績と状況を見ながら検討する」と回答した。なお、ボーダフォンの2004年度の株主配当金は、中期が600円、期末が600円で年間配当金は1200円。同時期のKDDIの年間配当金は6900円、NTTドコモは1500円となっている。

 「まもなく上場廃止になるが、株式を所有し続けるメリットはあるか? 既存の株主に対し、親会社の株主と交換するなどの対応はしないのか?」という問いに対しては「株式公開買い付けに関しては、親会社のボーダフォングループが決定することなので説明しかねるが、今後、当社株式の買い取りを行わない意向はすでに発表している通り。上場廃止後も引き続き、株主として議決権の行使や、配当金を受け取る権利は存続する」と回答した。

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