ACCESSに聞く「なぜ、Palmを買ったのか」(2/2 ページ)

» 2005年09月09日 20時26分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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大石 そういうもの(端末)も視野に入っている。Palmのコミュニティに放り込めば、アプリも簡単に作ってもらえる。(LinuxバージョンのPalm OSを提供する計画があるが)Linuxのカーネルから上の部分もパッケージにして、オールインワンで提供すれば開発コストの低減や、開発から販売までのタイムラグをなくすことにもつながる。クライアントも付くだろう。

ITmedia そうした「PDAケータイ」には、新規事業者が積極的です。ACCESSはドコモのiモードブラウザを開発した企業として、ドコモと一緒に成長してきましたが、新規事業者向けにもプラットフォーム提供することになるのでしょうか。

大石 そういう可能性は秘めている。ただ、こちらの意図をきちんと説明しておきたい。Linuxというものは、何もPDAに限られたものではない。最近はドコモのFOMAだってLinuxだし、セットトップボックスや、デジタルテレビにだってLinuxは入っていける。そこで、「下のレイヤーはA社にまかせて、アプリケーションエンバイロメントはB社、それをインテグレーションしようと思えばまた手間がかかって……」とやっているより、1社でトータルソリューションとして提供できれば、こんなメリットはない。

ITmedia もう1つ、コメントいただきたいのはPalmがこのところ市場から“不振”という評価をされていたことです(5月25日の記事参照)。理由は何だったとお考えですか。

大石 Palmは、あまりにも長い期間「PDA」「スマートフォン」に軸足を乗せすぎたのだと思う。それは彼らも分かっていて、携帯、ワイヤレスの分野に進出しようとしている。先に述べた中国のChina MobileSoft買収も、そうした判断のもと行われたものだ。ちょうど方針転換したところだったが、我々と組むことでその変革を“加速”させられる。

 ACCESSがPalmを買収することで、例えばそれまで1円の価値だったものがとたんに3円になる。これが違う企業が買収したのでは、1円のままだった。2社の力を合わせることで、ものすごいシナジーが生まれるだろうと考えている。

(文中敬称略)

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