アプリックス他、携帯からのダイレクト印刷を促進するコンソーシアムを設立

» 2005年09月21日 20時07分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 アプリックス、コネクトテクノロジーズ、ジー・モード、タイトーの4社は9月21日、携帯電話からのダイレクトプリントの普及と、新しいプリントコンテンツの創出を目的とするコンソーシアム「Print Contents Gathering〜プリントコンテンツビジネス推進会議〜」(PConG、ピーコン)を設立した。

左から順に、アプリックスの高尾慶二氏、タイトーの笠間信一郎氏、ジー・モードの山内裕也氏、コネクトテクノロジーズの伊藤広明氏

携帯の中のデータを組み合わせてダイレクト印刷

 アプリックスは、カメラ付き携帯電話からダイレクトに画像を印刷するためのミドルウェア「MoPiD」を推進している。MoPiDは、デジカメとプリンタを直接接続・印刷するための通信規格「PictBridge」(用語参照)に準拠しており、MoPiDを採用した携帯端末をPictBridge対応のプリンタにつなげば、PCを介さずに画像を印刷できる。

 現在、MoPiDのバージョンは1.0。MoPiD1.0では、携帯電話の中にある写真をプリントすることができる。MoPiD1.0対応の携帯電話はNECとノキアから1機種ずつ、計2機種の海外向けモデルが現在出荷されている。

 PConGでは、MoPiD 1.0をさらに進め、端末内に保存されたデータを加工して印刷できるMoPiD 2.0の仕様策定を目指す。MoPiD2.0では、WordやExcelといったオフィスドキュメント、PDFファイル、住所録データ、FeliCaやネットバンキングの利用記録などのデータを組み合わしたり、好みのフォーマットで携帯からダイレクト印刷できるようになるという。

MoPiD 2.0で利用できるようになる内容。これらを携帯からの操作でPCを介さずプリントできる仕様を目指す

中心となるのはコンテンツメーカー

 PConGは、30社限定で主にコンテンツメーカーからなる正会員と、プリンタメーカーや紙メーカーなどからなる賛助会員という構成をとる。現在8社の正会員と4社の賛助会員がおり、賛助会員にはプリンタのトップメーカーであるエプソン、キヤノンが含まれるという。現在MoPiD対応端末は海外向けモデルしかないが、PConGが活動するのは、国内市場になる。

 コンソーシアムの中心として活動する正会員にプリンタメーカーが含まれず、コンテンツメーカーが中心である理由については、「携帯電話業界は、キャリアと端末メーカーが中心となって動いている。ここに、ユーザーにより近い立場にあるコンテンツメーカーが入ることで、うまく回っていくため」(アプリックス営業本部副本部長の高尾慶二氏)、「現状のプラットフォーム上でアプリだけを作っていては、将来的に難しい。次の利用シーンを作り出していかなくては。アプリックスは技術の会社であり、我々(コンテンツメーカー)は利用シーンを具体的に描き出し、キャリアにビジュアルとして示すことが役目」(タイトーコンテンツ事業統括本部の笠間信一郎氏)と説明した。

仕様策定、ダイレクトプリントの普及促進、新しいプリントコンテンツの創出など、主業務はコンテンツメーカーの手によって進められる

 コンテンツメーカーは、プリントすることで付加価値を与えられる、新しい携帯向けコンテンツを開発・販売することを目指す。例として挙げていたのは、紙にプリントしておくことで携帯でゲームをしている最中にも参照できるゲーム攻略情報コンテンツや、プリントしてコレクションするトレーディングカードを組み合わせた携帯ゲームなどだ。

 また、アプリックスは、コンソーシアムを通してMoPiDの普及を目指す。「MoPiD 2.0に対応した端末は、2006年の秋冬モデルとして登場する見込み」(高尾氏)

携帯のシューティングゲームで、ボスキャラの攻略情報をプリントさせるコンテンツを有料で提供する例

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