NECの中間期、営業益が8割減 携帯出荷予想は大幅減に

» 2005年10月27日 18時57分 公開
[ITmedia]

 NECが10月27日発表した2005年9月中間期連結決算(米国会計基準)は、営業利益が129億6700万円と前年同期比78.1%減となった。不振の半導体部門の計画未達を他部門でカバーしたものの、民事再生法を申請した平成電電の売上債権などを引き当て処理したことも響いた。

 売上高は2兆2330億3500万円(前年同期比3.0%減)、税引き前利益は284億7600万円(同60.4%減)、純利益は164億2100万円(同34.8%減)。

 半導体子会社・NECエレクトロニクスが通期赤字への転落を予想するなど不振な上、前期から続く携帯電話端末の販売低迷が長引き減収。SI分野やモバイルインフラなどは堅調だったが、平成電電向け売上債権の全額など約40億円を引当金として計上し、営業益は当初予想比で約20億円の未達となった。

 2006年3月期通期の連結業績予想を修正。売上高は4兆9300億円(前回比予想比700億円減)、営業利益は1000億円(同500億円減)、税引き前利益は900億円(同400億円減)に下方修正する。純利益は修正せず600億円。税引き前利益の減で法人税等が改善するため。

出荷予想は3分の2に

 携帯電話端末部門の不振が全体を引っ張る構図が前期から続く。通期出荷台数予想は大幅に下方修正し、当初の1500万台から1000万台へと3分の2に減らした。

 上期の出荷台数は合計470万台にとどまった。NTTドコモ向けのFOMA端末の出荷が伸び悩んだことなどが原因で、MM総研によると、NECは国内シェアトップの座をシャープに譲った(関連記事参照)。海外端末も価格低迷で2.5Gが苦戦している。

 下期は、国内では来年度のシェア向上に備えて3G端末のラインアップを強化する。海外では損益を有線して市場と機種の絞り込みを進める。事業建て直しに向けた足場固めの時期として、同社携帯端末事業は辛抱が続く。

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