ウィルコムのCMに見る、病院内での“PHS”

» 2005年12月02日 18時58分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 病院のベッドに寝ている患者が“ケータイ”を使って家族に電話する──。ウィルコムが放映を始めたテレビCMの利用シーンが話題を呼んでいる。

 病院内で携帯電話を使っていけないのは当然だが、PHSは送信出力が携帯電話に比べて非常に小さいため、医療機関内での利用も基本的に認められている。実際の病院でも、「災害時に強い点、低SAR値により医療機器や人体に影響が少ないことにより」(ウィルコム)、医師や看護師の連絡ツールとして導入を始めたという。

 ウィルコムによると、医療機関への導入例は京都医療センターなど、すでに1200機関。病院側が患者向けにPHSをレンタルしているところもある。

 ただしPHSなら無条件に医療機関内で利用できるわけではないことは注意したい。電波環境協議会(旧不要電波問題対策協議会)では、「医療機関内で使用するPHS端末は、携帯電話端末、ハンディタイプのアマチュア無線機、アナログコードレス電話等と容易に識別できるように管理すること」という指針を出している。病院内で携帯を使ってかまわないという誤解を与える可能性があるからだ。

 ウィルコム端末を導入した医療機関では、医者や看護婦が持つ端末に「医療用」と書かれた赤いストラップを付けて、PHSであることを明示したりといった対策が採られている。また「携帯はやめてください。PHSはOKです」といったポスターを使って、啓蒙を進めている病院もあるという。

 気をつけたいのは自分のPHSを持ち込んで医療機関内で利用する場合だ。ウィルコムは「基本的には、病院の判断でどう扱うか決めてもらう」としており、利用方法については病院側に確認する必要があるだろう。

 またPHSであっても、手術室、集中治療室(ICU)及び冠状動脈疾患監視病室(CCU)等においては、人命に直接関わる医用電気機器が多数設備されているため、電源を切ることを忘れないようにしたい。

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