「iDは、JCBとは競合しない」――NTTドコモ夏野剛氏 神尾寿の時事日想・特別編: (3/3 ページ)

» 2006年01月11日 18時35分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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iDは第2のiモード

 まだ始まったばかりのiDだが、普及における重要なポイントはどこにあるのだろうか。

 「普及を考えると、利用可能店舗を増やすことにつきます。おサイフケータイに関しては、すでに累計出荷台数が800万台を超えており、今年3月までに1千万台に達する見込みです。端末は順調に普及していますので、iDが使える場所を目に見える形で増やしていかなければならない」(夏野氏)

 利用可能店舗を増やすというのは、おサイフケータイ全般に対しても重要な課題であるが、昨年後半から採用事業者が増えたこともあり、iDを取り巻く環境も追い風になっている。まだ、サービス開始1ヶ月であるが、「おサイフケータイのクレジットカード事業としては、利用店舗数の面でもリードする立場になっている」(夏野氏)という。

 「(おサイフケータイやiDは)第2のiモードだと考えています。iモードの普及ペースを考えると、2009年にはユーザーが『使いたい』と思う場所すべてで使えるようにしたい。将来的には利用率を5割に持っていきたいと考えています」(夏野氏)

 1999年にスタートしたiモードは、プラットフォーム事業としての的確な舵取りと、端末とサービス両面の普及戦略の奏功によって社会インフラにまで成長した。iDが同様に成功すれば、ドコモが目標として掲げるキャッシュレス市場の倍増が実現できるどころか、“控えめなビジョン”となる可能性すらありそうだ。

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