“かざして印刷”するA3カラーページプリンタがカシオ計算機から

» 2006年04月13日 14時33分 公開
[後藤治,ITmedia]

 カシオ計算機は4月13日、カラーページプリンタ「SPEEDIA」シリーズの新製品として「N3500」「N3000」の2機種を発表した。価格は「N3500」が26万400円、「N3000」が20万7900円(ともに税込み)で、6月2日より順次発売する。

「SPEEDIA N3500」。価格は26万400円(税込み)。

 SPEEDIA N3500は、LED4連タンデム方式を採用したA3対応カラーページプリンタで、本体サイズが590(幅)×539(奥行き)ミリ、重さ約45キロと、クラス最小の設置面積と重量を実現したのが特徴。従来モデルの「N5100」から「容積・重量・部品点数をあらかじめ半分にすることをめざして開発を行った」(カシオ計算機 開発本部 システム統括部 第四開発部長 井上正広氏)という。新機種ではドラムの小径化やより小さなLEDヘッドの採用、トナースペースの削減などにより、設置面積で30%、容積で46%、重量で38%の省スペース化・軽量化を実現している。

 また、印刷用紙の搬送プロセスを最短ルートにすることでカラー24枚/分、モノクロ30枚/分(ファーストプリントはカラー12秒、モノクロ8秒)の高速プリントを可能にしたほか、新開発の薄型定着ベルトによりウォームアップ時間を約30秒に短縮している。また、用紙搬送経路をシンプルな構造にしたことでメンテナンス性も向上した。

省スペース化のポイントと新開発トナーの特徴を説明するスライド(左/中央)。「小型化をめざして感光体ドラムを30ミリ径から24ミリ径に変更したが、このサイズの感光体を採用する同クラスの製品はほかにないと思う」と語る井上氏(右)
消耗品の交換を前面から行えるフロントオペレーションを実現したのも特徴(左)。印刷用紙の搬送経路が単純化したため、紙詰まりを起こしても簡単に処理できる(右)

 N3500の目玉機能としてRFIDデバイスによる「認証プリント機能」も紹介された。印刷時にFelicaやMifareなどの非接触ICカードをPC側のICカードリーダーにかざし、データ転送後にプリンタ側のICカードリーダで再度認証を行うことで印刷物が出力される仕組み。第三者によるのぞき見や置き忘れなどから情報漏洩を防げるという。また、ユーザー名や利用時刻を文書の印刷領域外に印刷する機能や、カラー/モノクロ/印刷の可不可をユーザーごとに設定する機能も備える。

 なお、同機能の利用にはデータをプールするHDD(税込み5万2500円)とUSBホスト拡張ボード(税込み8240円)に加え、カードリーダー2つと認証用ソフト「SecureGate」がオプションで必要となる。後者の価格は未決定としているが、「認証プリント機能」トータルでは10万円前後になるとのこと。

FelicaやMifareなどの非接触ICカードで本人認証が行える。写真は“Suica”と“おサイフケイタイ”

 このほか、スリープ時の電力を10ワットに抑え、スリープ/待機モードを時間単位で指定するスケジュール機能を搭載するなど消費電力の削減も図られている。インタフェースはUSB 2.0×1と100BASE-TX/10BASE-T。標準でWindows 98/Me/2000/XP、Windows Server 2003のプリンタドライバが付属する。なお、下位モデルのN3000は印刷速度がカラー16枚/分、モノクロ30枚/分になり、「認証プリント機能」には対応しない。また発売日は8月1日となっている。

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