世界100カ国でGPSナビが使えるHSDPA端末――Nokia「N95」

» 2006年09月27日 09時40分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 Nokiaは9月26日、マルチメディア機能にフォーカスした端末「Nseries」の最新モデル「N95」を、フィリピン・マニラで開催中のイベント「Open Studio: Explore Your Passions and Music Connects」で発表した。2007年第1四半期に出荷を開始する見込み。

 N95のボディは、上下2方向にスライドできる2ウェイスライドスタイルになっている。同社初のHSDPA携帯で、通信速度は最大3.6Mbps(下り)/384kbps(上り)。無線LAN機能、Bluetoothも内蔵している。

 もう1つの大きな特徴が、GPS機能を内蔵しており、100カ国以上の地図や、1500万カ所以上の場所の情報を利用できることだ。自分のいる位置を検索したり、「半径xxメートル以内にある店舗」といった形で情報を検索したりできるほか、有料で目的地までの音声ナビ機能や、ガイドブック的な情報も利用できる。

 マルチメディア機能も満載だ。カールツァイスのレンズを採用し、AF機能付きの500万画素カメラ、動画撮影機能、MP3/AAC/M4A/WMA/eAAC+が再生可能な音楽プレイヤー機能などを備えている。

photo Nokia初のHSDPA端末となるN95。上下にスライドする
photo 500万画素AF付きカメラ機能を搭載。レンズの横にあるレバーはレンズカバー
photo カラーは2色


photo 縦にスライドすると縦画面。文字入力などはこちらで
photo 横にスライドすると横画面に切り替わる。プレイヤーなどマルチメディア系機能を集め、3Dアイコンで表示したメニューが現れる


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世界100カ国で利用できるGPSナビ機能

 N95はGPS機能を内蔵しており、取得した位置情報と内蔵ソフトの「NAVFone」を組み合わせることでナビ機能を利用できるのが大きな特徴となっている。「屋根がある屋内でも測位できるので、クルマの中でカーナビのように使うこともできる」(説明員)

 自分の位置情報を測定するだけでなく、地図情報と絡めて「今いる場所から半径500メートル以内にあるマクドナルドを検索」といった使い方も可能。グローバルな地図情報プロバイダと提携して世界100カ国以上の地図情報を提供するほか、各国ローカルの地図情報サービスを連携して利用できるようにするという。「そのために(地図情報の規格を)オープンにしている。あくまで例だが、例えば将来的に日本の乗換案内のようなものと連携できるようになるかもしれない」(Nokia)。地図情報は年に2回更新する。

 ここまではパケット通信料のみで利用できるが、さらに有料サービスとして、ナビ機能や、観光ガイドブックのような情報を網羅する「シティガイド」機能を提供する。「観光ガイドは16カ国からスタートし、1都市8ユーロ程度の価格を考えている。例えばヨーロッパに旅行に行く場合、3カ国分のシティガイドとナビゲーション機能を合わせて3カ国で29.99ユーロ程度になるのでは」(Nokia)

 N95だけでなく、他機種でもこの機能を利用できるようにする予定だ。N95以外の機種の場合は、外付けのGPSモジュールを接続し、ソフトをダウンロードすることになる。Nokiaは位置情報サービスの展開に意欲的で、地図情報サービス企業である、独gate5を買収するなどしている(9月1日の記事参照)

photo 今いる位置を測位。会場には屋根があったが、問題なく現在位置を測定していた(左)。自分がいる場所から半径500メートル以内にあるマクドナルドを検索(右)
photo ナビゲーション中の画面。赤い矢印が自分が向かっている方向を、緑の大きな矢印が目的地への大まかな方向を示す。なお電子コンパスは持っていないが、歩いてきた位置の履歴から自分が向いている方向を割り出すことにより、地図を進行方向に向けて回転させている


photo HSDPAの通信速度を生かし、N95で打ち出しているのがPodcastの視聴。音声Podcastはもちろん、Video Podcastも楽しめる

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