デザインのメインストリームは「RAZR風」──MotorolaITU TELECOM WORLD 2006

» 2006年12月11日 00時30分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 MOTORAZRシリーズの世界的ヒットにより、この2年間でシェアが大きく拡大したMotorola。ITU TELECOM WORLD 2006の展示ブースにはRAZRライクなデザインの端末が多数出展された。

HSDPAに対応したRAZRの新機種「maxx」

 UMTS(W-CDMA)端末のコーナーには、3G対応RAZRの新モデル新機種が登場した。「MOTORAZR maxx V3」と「MOTORAZR maxx V6」は、いずれもHSDPA/W-CDMA/GSMに対応する。型番の「maxx」はHSDPAへの対応を意味しており、両機種ともにパケット通信速度は下り最大3.6Mbps。QVGA解像度のディスプレイやA2DP対応のBluetoothを搭載するなど、基本スペックはほぼ同等だ。発売は今月〜2007年初頭を予定している。

 maxx V6は、表面素材が金属からつやのあるピアノ塗装調の硬質プラスチックに変更され、曲名表示も可能なサブディスプレイの下にはフェザータッチで操作できる音楽コントロールボタンを備える。maxx V3は、オリジナルモデル「MOTORAZR V3」のデザインをそのまま踏襲し、ボディもアルミ素材を採用している。厚みはV3より1.2ミリ増した15.1ミリになったものの、スリムなスタイルは損なわれていない。またNTTドコモが日本で発売する「702iS」も展示され、香港の3Gネットワーク上で国際ローミングの電波をキャッチしていた。

Photo MOTORAZR maxx V6。ボディはプラスチックに変更され、表面は光沢、内部はつや消しと素材を使い分けている
MOTORAZR maxx V3とmaxx V6の比較。素材の違いだけでイメージはだいぶ変わるが、デザインコンセプトは統一されている
Photo NTTドコモの「702iS」も展示。3Gローミングに対応し、香港の3G網下でのiモード接続も可能だった

マルチメディア端末「MOTOROKR E6」を発表

 MOTOROKR E6は、Linux OSを採用し、マルチメディア機能に優れたGSM対応の高機能端末。今回のITU TELECOM WORLD 2006の開催に合わせて発表された。

 MotorolaはLinux OSやSymbian OSを採用したスマートフォンを多数リリースしてきたが、E6はPIM機能に加えてメディアプレーヤー機能を強化したことから、音楽携帯向けの愛称となる「MOTOROKR」を冠することとなった。

 ブラックのボディにフラットなデザイン、フィルム状キーパッド採用など、デザインはRAZRシリーズの流れを汲んでいる。大型2.4インチのディスプレイはタッチスクリーンと手書き入力に対応。2Mピクセルのカメラも装備する。メディアプレーヤーとしての利用を考慮し、市販の3.5ミリステレオヘッドフォンジャックを搭載。BluetoothはA2DPに対応している。またPIM/ビジネスアプリケーションも充実しており、Word、Excel、PDFなどのオフィスファイルビューワ、名刺スキャン、POP3対応メールクライアントなどを搭載している。

Photo Linux OSを採用したMOTOROKR E6。PIMやビジネス機能を備えるのはもちろん、エンターテイメント機能が強化されたマルチメディア端末でもある
Photo 従来の同等製品となるE680(左)との比較。RAZRデザインを取り入れたことによりスタイリッシュになっている

Photo MOTOROKER E6のデビューイベントも開催された
Photo イベントにはE6のイメージキャラクターを勤める台湾のトップアイドル「Jay Chou」も登場

RAZRのスリムスタイル「MOTOKRZR」」「MOTORIZR」なども登場

 スリムなGSM端末、「MOTOKRZR K1」と「MOTORIZR Z3」は、MOTORAZR V3の横幅を狭めたスタイルの端末。基本スペックは同等で、2Mピクセルカメラを搭載し、外部メモリはmicroSDを利用する。K1は女性向けのアクセサリを、Z3は若者向けの小型音楽プレーヤーをイメージした端末で、ボディの素材は光沢とつや消しを使い分けている。K1はすでに発売中で、Z3は2007年初頭に店頭に並ぶ予定だ。

Photo V3とK1の比較。K1のほうが縦に長いため、より横幅が狭く見える
Photo Z3はスライド型。キーパッド中央に音楽再生用のキーを備える
Photo Windows Mobile 5.0 for Smartphoneを採用したMotorola Qのブラック、V3をストレート型にしたL6/L7シリーズなども展示された

DVB-Hはテスト端末で会場内のライブ放送をデモ

 ブースには電車の車内を模した展示コーナーが用意され、DVB-Hに対応したテスト端末を使った車内エンタテインメントのデモが行われていた。端末からITU TELECOM WORLD 2006の会場内に取り付けられた複数のテレビカメラを切り替えたり、画面中にテロップとして流れる広告をクリックし、ショッピングサイトへ移動して買物するなど、実際に操作を体験できるとあって来訪者には好評だった。

Photo DVB-Hを使った車内エンタテインメントのデモ。動画の再生は全画面表示では画質が落ちるが、縦画面内の2分の1サイズの表示であれば動画の動きも比較的スムーズだった。端末はテスト機のため、製品として出せるクオリティではないという

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