トルカもQRコードもnapsterも、目指すのはno music, no life――タワーレコード(後編) (1/2 ページ)

» 2006年12月19日 00時01分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 トルカやQRコードを使い、携帯による情報配信を積極的に行うタワーレコード。また、子会社のナップスタージャパンが手がける音楽配信サービス「napster」も、FOMAの一部機種に対応しており、ダウンロードした音楽を携帯で聴けるようになっている。

 音楽CD小売店としてのタワーレコードが携帯に期待するのは何か? 後編ではドコモとの提携、napsterの話題を中心に、タワーレコード事業推進室室長の五味陽介氏に話を聞いていく。

photo タワーレコード事業推進室室長の五味陽介氏

タワレコがドコモとの提携で行ったこと

 2005年11月、タワーレコードとドコモは業務・資本提携を行った(2005年11月の記事参照)。以来両者はさまざまな形で共同の事業を行っている。

  1. 全国81店舗のほぼ全店でiDを導入(2006年6月で完了、新宿店を除く)
  2. iDで支払うとポイントが2倍付くサービス(夏のセール以降)
  3. ドコモダケをサマーセールのキャラクターに採用し、タワーレコードのセールとiD/DCMXのキャンペーンを同時に行う
  4. タワーレコード店内にnapsterコーナーを設け、対応しているFOMAを展示
  5. iモード公式メニュー「ミュージックiガイド」内に「タワーレコード&iモード」コーナーを設け、各種チャートやbounce.com※の音楽ニュースやインタビュー、レビュー記事を掲載
※bounce.comは、タワーレコードが発行するフリーマガジンのWebバージョン

 ドコモとの提携に基づき、タワーレコードが行っているサービス内容のうち、主なものだけでもこれだけある。

 タワーレコードは、ドコモが力を入れて進めているクレジット決済サービス「iD」をいち早く店舗へ導入しただけでなく、“iDで支払うとWポイント”などの各種キャンペーンを行うことで、iDの利用率向上に大きく貢献している。

 前編で触れたように冬のセールではガチャピンをキャラクターにして展開しているが、夏のセールでは「ドコモダケ」を押し出し、夏のセールとiD/DCMXの両方をアピールしていた。

 一方ドコモはFOMA 903iシリーズで“ミュージックケータイ”を強くアピールしているが、その柱は2つある。1つは、着うたフルやミュージックチャネルへの対応、そしてもう1つは、タワーレコードの子会社であるナップスタージャパンが行っている音楽配信サービス「ナップスター」への対応だ。

ナップスターでやっていることは、店頭でやっていることと同じ

 ナップスターがこれまでの音楽配信サービスと大きく異なるのは、定額制で聴き放題の料金体系を持ち込んだことにある。1曲数百円で楽曲を購入する「Napster a la carte」もあるが、ナップスターの主力サービスとなっているのは「月額1280/1980円で聴き放題」である「Napster Basic/Napster To Go」だ。Napster BasicはPCでだけ曲を再生できるが、Napster To Goであれば、ドコモの携帯など、対応ポータブルプレイヤーへ曲を転送して聴くことができる。

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