MNP開始から3カ月、キャリア移行の動向は──価格.com調査

» 2007年03月06日 23時08分 公開
[ITmedia]

 価格.comは3月6日、携帯電話の番号ポータビリティ開始後3カ月時点のユーザーの移行状況や、その後の意識に関する調査結果を発表した。調査は1月16日から2月4日まで実施され、有効回答数は2818人。

 調査によると、現在契約している携帯電話会社はドコモが43.3%、auが31.4%、ソフトバンクモバイルが20.5%、ウィルコムが1.9%。一般シェアと比べて価格.comユーザーはauとソフトバンクモバイルの割合が高い。

 番号ポータビリティを利用して、携帯電話会社を移行したかという質問には、90.2%が「利用していない」と回答。利用した約10%の移行先はauが最も多かった。転出先と転入先のパターンでは「ドコモからauへ移行した」が最多で30.7%。「ドコモからソフトバンクへ移行した」が19.3%、「ソフトバンクからauへ移行した」が18.2%と続いた。

 「移行した」ユーザーが重視した項目は「機能」「デザイン」「価格」「通話環境」で、「インターネットへの接続速度」などは、さほど重視されていないことが分かったという。キャリア別に見ると、ドコモに移行したユーザーは、「友人・家族などと同じ携帯電話会社であること」「ショップのサポート」「メール機能」「端末のデザイン」といった項目を重視しており、「端末の価格」は重要視していないことが明らかになった。

 auに乗り換えたユーザーは、他キャリアに比べて「通話環境」を重要視する傾向があり、「つながりやすい」「通話品質がいい」という項目を選択したユーザーが多いと価格.comは分析。ソフトバンクに乗り換えたユーザーは、他キャリアに比べて特に突出したポイントはないが、「通話環境」や「ショップのサポート」については、それほど重要視していないという。

 番号ポータビリティの非利用者に、携帯電話会社の移行予定について聞いたところ、「移行する予定はない」が69.2%、「検討中だがまだ移行時期は決まっていない」が24.6%、「半年以内に移行する予定」が4.8%となった。

 番号ポータビリティを利用しない理由については、「結局いくら得になるのか分かりづらい」「移行に伴う料金が高い」など、料金面での不透明性や不満が理由というユーザーが多い。また「よいサービスや機種が出るまで様子見」という声も多い。キャリア別では、ドコモの利用者は「割引がなくなってしまう」「家族や会社、仕事でドコモユーザーが多い」「ドコモは安心できる」という回答が多く、auは現状のプランに満足しているユーザーが、ソフトバンクは乗り換えるだけのメリットを感じないというユーザーが多かった。

 最も多かったのが「移行手数料が高い」という意見で、手数料や料金割引解除などのデメリットを考えると、MNPを利用した移行のメリットがあまり感じられないという意見が多かった。メールアドレスが変わることを難点とするユーザーも多いが、番号ポータビリティ制度の導入そのものについては概ね歓迎する傾向にあり、今後の各社の料金プランや魅力的なサービスの登場によっては、MNPを利用してみてもいいというユーザーも多数見られた。

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