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目指せ、古典文学となるブログ!オルタナティブな生き方 片岡麻実さん(1/3 ページ)

文学少女とITが出逢うと片岡さんになる。「ガラスの仮面シリーズ」など一風変わった視点のブログを書く彼女に、生い立ちやブログへの思いを聞いた。

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大量の資料を調べて考察するのが得意

 「基本的には大ざっぱなんですが、変なところだけは計算できるタイプなんです」

 ITmedia オルタナティブ・ブログ『片岡麻実の「テクノロジーとリベラルアーツが出逢うとき」』を執筆する片岡麻実さんは、おっとりとしたお嬢さんタイプ。しかし、きっちりと計算して準備万端整えることが多いという。


バンジージャンプでポーズを決める片岡さん。楽しそう!

 運転免許取得の日付は平成11年11月11日、結婚記念日もジューンブライドで大安吉日を狙った。そんな彼女が学生時代に唯一勢いで行動したのが、友達にくっついて行ったインドネシアへの旅行。失恋直後だったこともあり、とにかく何かしたくてバンジージャンプに挑戦した。しかも「飛び放題だったので、2回飛びました」とのこと(本当はもっと飛びたかったけれど、体調が悪くなり泣く泣く断念したとか)。

 子どものころは「あまりできる子ではなかった」と自己を分析する。保育士だったお母さんは教育熱心で、片岡さんができなかったことを毎日根気よく指導した。最初は辛かったが、指導を受け頑張っていくと勉強も逆上がりもできるようになる――「ああ、頑張れば報われるんだな、とだんだん分かるようになりました」と片岡さんは当時を振り返る。

 大学は学習院短大に進学し、文学少女の道をまい進した。「勉強はなんて楽しいんだろうと思いました。彼氏も作らず勉強ばかりしていました」とのこと。穏やかな友人たちに囲まれ、合コンにも行かず、とにかく本を読むのが楽しくて毎日うきうきと勉強をしていたそうだ。


武井教授と片岡さん

 あまりにも勉強が楽しかったので、短大卒業後は埼玉大学へ編入することに。そこで出会ったのが、指導教官となる武井和人教授だった。武井氏は、古典が専門であるにもかかわらず自ら研究室内ネットワークを構築するようなITに積極的な教授で、「これからはITの時代だから、文学をやる人もここでITを勉強しなさい」と、PCやメールをがんがん使う環境を提供してくれた。文学少女片岡さんとITの世界の出会いだ。

 勉強を続けたくて大学院に進学し、日本文学を専攻した。修士論文のタイトルは「『苔の衣』にみる「かぐや姫と八月十五日」というメタファー」、ちょっと計算して原稿用紙換算で222ページにしたとか。

※リンク先に掲載されているものは残念ながら222ページではなく、50ページにまとめ直したもの

 「資料など大量のものを調べ、それを考察するのが得意なんです」と話す片岡さん。そんな彼女が書く「ガラスの仮面シリーズ」は、オルタナブログの名物シリーズだ。徹底して漫画を読み込み、読み取れる背景についてたくさんの資料を調べ、検証し考察する。その結果の一部が、ブログ記事としてまとめられているのだ。「登場人物の1人、鷹宮紫織の名前になぜ『紫』の文字が入っているのか、これについても、そのうちブログで考察します」と予告する。


片岡さんの「ガラスの仮面」には、たくさんの付箋が貼ってある。オレンジ:前に似たシーンがあったところ、ピンク:北島マヤの心情で重要だと思ったところ、青紫:速水真澄が本音を言わなかったとき、赤紫:速水真澄が本音を言ったとき、黄色:物語の伏線となる小道具が登場したとき、青:目の表情が重要そうなとき、緑:脇役が重要なことを行ったとき、黄緑:速水真澄が口に出して「マヤ」と北島マヤを呼んだとき、と色分けしてあるという。特に黄緑の「速水真澄がマヤと呼んだとき」は重要なのだとか。「速水真澄は普段は『チビちゃん』とか、ものすごくまれに『北島マヤさん』と彼女を呼び、単行本46巻までで口に出して『マヤ』と発話したのは数回しかありません。35年間でそれだけなのが気になり、重要そうだとチェックしました。美内すずえ先生が伏線をたくさん張っているので、私も付箋をたくさん貼っています。伏線も付箋もはりすぎですよね」(片岡さん)
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