「Firefox 15」の正式版リリース メモリリーク問題に対処、Android版は高速化
MozillaがWindows、Mac、LinuxとAndroid向けに「Firefox 15」をリリースした。デスクトップ版ではアドオンによるメモリリーク問題に対処し、Android版ではタブレット対応や高速化、多数の新機能追加が行われた。
Mozilla Foundationは8月28日(現地時間)、Webブラウザの最新版となる「Firefox 15」をWindows、Mac、Linux向けにリリースした。Android版も同日、バージョン15にアップデートされた。
Chromeと同じような自動更新「サイレントアップデート」
Windows版が、新バージョンのアップデートが自動的に行われる「サイレントアップデート」に対応した。アップデート手順はバージョン12からそのほとんどがバックグラウンドで行われるようになっていたが、途中で何度かポップアップの確認画面が表示されていたのが、完全に自動になった。米GoogleのChromeと同様に、バックグラウンドで更新され、次に起動した時には新バージョンになる。
アドオンのメモリリーク問題を改善
これまで、アドオンを使っているとメモリリークが発生して徐々にレスポンスが悪くなり、タブを閉じても改善されないことがあったが、これを改善した。例として、SiteAdvisorというアドオンを追加したFirefox 14とFirefox 15でタブを151開き、1つを残してすべて閉じた場合のメモリ使用量を比較したところ、Firefox 15ではタブを閉じた後のメモリ使用量がFirefox 14の約4分の1になったという。
高速化
SPDY v3への対応、WebGL機能の改善などでパフォーマンスを強化した。
この他の開発者向け新機能などについてはリリースノート(日本語)を参照のこと。
セキュリティ関連の更新
Mozillaのセキュリティアドバイザリによると、Firefox 15では計16項目の脆弱性を修正した。重要度の区分けは、4段階で最も高い「最高」が7項目あり、開発者用デバッグツールの問題や各種のメモリ破損問題、解放後使用問題など、任意のコード実行に利用される恐れのある脆弱性が修正されている。
重要度「高」の6項目では、権限昇格やフィッシング詐欺などに悪用される恐れのある脆弱性を修正。このうち1項目はAndroid版のみに影響する。残る3項目は「中」と区分けされている。
法人向け延長サポート版の更新版となる「Firefox ESR 10.0.7」も同時にリリースされ、同じ脆弱性が修正された。
Android版が大幅にスピードアップ
タブレットにも対応し、総合的に(アプリの起動からページの読み込み、ズームなど)高速化したという。主な新機能は以下の通り。
- メニューからWebサイトの表示をモバイル向け/デスクトップ向けで切り替えられるようになった
- タブをスワイプで閉じられるようになった
- Androidの標準ブラウザのブックマークと履歴をインポートできるようになった
- ページ内検索に再対応
- プライベートデータの消去で、消去するデータの種類の選択が可能になった
- SPDY v3に対応
この他の開発者向け新機能などについてはリリースノート(日本語)を参照のこと。
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