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巨人、SAPのクラウド戦略を皮肉るNetSuiteのネルソンCEOSuiteWorld 2013 Report(1/2 ページ)

サンノゼで5000人規模のカンファレンスを開催したNetSuiteのネルソンCEOは、「SAPやOracleは、クラウドに関して本来顧客に伝えるべきことを伝えていない」と噛みついた。

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NetSuiteのネルソンCEO

 「SAPを駆逐? できるかもしれないよ、半分冗談だけどね」── そう話すのはERPクラウドの雄、NetSuiteのザック・ネルソンCEOだ。

 カリフォルニア州サンフランシスコ郊外、サンマテオに本社を置く同社のERPクラウドは、ERP/財務会計、販売管理、在庫管理、CRM、e-コマースなど、フロントからバックオフィスまで、業務全体をひとつのスイートでカバーできるのが大きな特徴だ。顧客レコードにひも付けてすべての情報を一元管理しているため、営業、サポート、財務会計、配送、請求書など、すべての業務を継ぎ目なく進めることができるほか、各種のKPI(主要業績評価指標)によって業務や経営の「見える化」も実現している。

 同社は現地時間の5月14日から、サンノゼで5000人規模の年次カンファレンス「SuiteWorld 2013」を開催、グローバル展開の顧客事例や満を持して発表した製造業向けソリューションをアピールした。

 NetSuiteには、複数の子会社やグループ関連会社を一元管理できるオプション、「NetSuite OneWorld」がある。NetSuite自体、17言語、190以上の通貨、主要な国の会計制度、税制、法制度に対応しており、その違いをOneWorldが吸収し、リアルタイムで見える化してくれる。中堅以上の企業では既に本社にSAPやOracleといったオンプレミス型のERPを導入しているため、これらと海外現地法人がクラウドサービスとして活用するNetSuiteが連携する、いわゆる「2層ERP」の仕組みも用意している。日本の顧客でも製造業を中心にこうした事例が増えてきているという。

 「ある大手企業からグローバル展開するには機能が不十分だというフィードバックを得たのをきっかけに1つのインスタンスで複数の国々の現地法人を管理できるOneWorldを開発した。われわれにとってはうれしい誤算だったが、全く想定していなかった新しい市場が開けた。例えば、Qualcommがメキシコで、日本企業でも旭化成が北米で採用するなど、ユーザーに大きな機会があることを教えられた」とネルソンCEOは話す。

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